「沈黙をあなたに」
マリオ・バルガス=リョサ 著。
世界で最も美しいギターの音色を聞いてしまった。
全ったき沈黙の中にギターの音があった。これほど美しい音楽は今まで聞いたことがない。これぞペルーの人のための音楽ではないか。
トーニョは確信する。ラロ。この若者は本物だ。
クリオーリョ音楽の研究者トーニョがある演奏会で出会った。彼を応援しよう。彼を世にだそう。尽力は惜しまない。どこまでも。
しかし、その夜に出発した演奏会は無惨な結果に?
そして、いなくなった。どこにも。
そして、死んだと聞いた。
まさか。自分勝手な男。他人と協調できない男。
トーニョはあきらめきれない。ラロの足跡を追う。確かに居たのか。
誰にギターを習ったのか。どこで演奏を初めたのか。
貧しい学者暮らし。妻の働きに頼る暮らし。知人の援助で本を出す暮らし。
それでも、ラロを追う。彼についての本を書かなくては。
私の使命だ。
生い立ちは? どこで生まれた? 家族はいたのか? 恋人はいたのか?
なぜ、恋人から去ったのか?
そしてとうとう生まれた場所をつきとめた。
最も貧しい人たちが暮らす、ゴミの街。ゴミ置き場。
腐臭がただよう。そんな中で赤子の泣き声を聞いた牧師がいる。
ゴミの中で産み落とされて、捨てられた赤子は健気にもまだ生きていた。
見捨てられない。生きてくれ。
それがラロか?
なんという悲惨。なんという哀しみ。
涙なくして読めない。
移民と貧困の国。しかし、音楽は人の心を癒す。高揚させる。
ペルーの音楽はペルーの民のものだ。
かれは書く。
とても良い。夢中で読んでしまった。
2025年4月に逝去したペルーの巨匠、その最後の小説。

わしの勝手なお勧め度。
星五つ。
「マトリョーシカ・ブラッド」
呉勝浩 著。
山中の白骨死体。傍らにマトリョーシカ。薬物が・・。何故そこに?
陣馬山で白骨死体が発見されたという一報が入る。
通報があった。
五年前の事件の被害者が埋まってる。気に彫ったMが目印。
神奈川県警本部、部長刑事、彦坂誠一。ヒコ岩といわれた頑固一徹の刑事はこれはまずいと青ざめる。五年前事件の被害者だ。死体が出なくて焦ってた。
埋まっているのは香取富士夫?
あの事が明るみ出てしまう。絶対にバレてはいけないあの事が・・・
一緒にマトリョーシカが発見された。べっとりと血痕がついている。
今頃一体何故?
そして、第二の通報が。
またまたMとマトリョーシカ。顔面をボコボコにされた弓削浩二。
警視庁と神奈川県警の合同捜査。
この事件には、ムラナカ事件がからんでる。
東雲総合病院で5名が急に死んだ。サファリという新薬のせいなのか?
昔の関係者を洗い直しだ。
昔の事件を紐解いていく。
慎重に? 何故? あの時の女性の通報を無視した。なかったことにした負い目がある。
林美帆、在日中国人。実はムラナカ事件に関係か?
懸命の捜査で、少しずつ分かっていく。
薬害事件の闇はとても深い。
誰が誰を恨んで・・・
とても面白い。
以外な事実が次々と明るみに・・・
しかし、アレがバレてはあかんのだ。
ジレンマの刑事たち。
自白は嘘だった?まさかの・・
面白いけど、なんだか、ありそうで嘘くさい。
凝りすぎて、おもろない感じもする。

わしの勝手なお勧め度。
星四つ。
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