ある日の阪急電車。
朝八時すぎの電車で京都へ行く予定だった。
もちろん、梅田は始発駅、電車が到着したら当然ガラガラ。のはず。
わしは空いてるときは乗り降りしやすいように、端っこにすわる。大抵だれもがそうしてる。
この日は、不思議、始発のはずやのに、端っこの席が埋まってた。わしは反対側の端っこに座る。その女性、若い女性だった。はグッスリ寝込んではるみたい。
多分、眠りこけて途中の駅で降りそびれてまた戻ろうということなんかなあ。
それにしても、前後不覚みたいに寝てはる。顔は仰向け、手足はだらり。
椅子からずり落ちかけてる。若い女性がこんな無防備ええんやろか。
わしが心配してもしょうないけど。
電車は出発した。
女性はグッスリ。時々、気がついて、面倒くさそうに身じろぎしてはる。
そのうち、手に持ってたスマホを膝の上においた。
とても不安定、ハラハラする。
なんだか気になって、時々様子を見る。
ガタっと音がして、スマホが落ちた。まあ当然落ちるわなあ。
女性は、さすがに気がついた。当然拾うと思いきや、チラッとスマホを見て、あろうことか寝直した。
なんやねん。と思ってしまう。
次の駅で、ドドッとお客が乗ってきて、席がドンドンうまる。
彼女の前に立とうとした男性が、スマホに気がついた。
話しかけて教えようとしてるけど、全然無反応。
その人は、スマホを拾って、渡そうとする。女性は気がつかない。
トントンする。やっと気がついて、うるさそうに受け取る。続いて爆睡継続。

お礼も言わない。素振りも見せない。
なんだかなあ。
わしは、横目でチラ見してただけ。まあ、出しゃばる幕もない。
そのうち車内が混んできて満員状態。チラ見も出来へん。
そのうち、気がついたら、いなかった。
どっかで降りたらしい。
スマホは床に落ちてないみたい。ちゃんと持って帰った?
いやはや、いろんな人がいるもんですなあ。
爺さんには理解しがたい。
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