「禁忌の子」。
山口未桜 著
彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
とても面白い。
兵庫県市民病院救急科の医師、武田航の元に搬送されてきた患者は。
海面に浮いていたらしい。すでに心肺停止。名前は仮称「キュウキュウ十二」。
心臓マッサージ。挿管、蘇生反応無し、死亡判定。
なんとキュウキュウ十二は、俺に瓜二つだった。
体つきも似てる。尻に毛が。頭部外傷。殺人か。
しかし、何も手がかりはなし、全裸で浮いていた。
とても気になる。なんで私に似ている?
同じ医師で、中学時代からの旧友の城崎響介の助けを借りて、調べて見る。
とても美貌で頭脳明晰な男。感情に乏しいが、たよりになる。
被害者は一体どこの誰だ? 殴られて海に捨てられた?
手のつけようがない。
ならば、まず自分の戸籍を調べる。
肝心なことは目に見えないんだよ。そう言われても・・・
一見何の問題もない。しかし・・
母親の母子手帳を見つけた。
妊娠中期に病院を変えている。生島リブロクリニック、不妊治療専門の病院だ。
生島京子とジェイムズ・サカモトが経営していた。
手がかりが少しずつ。
段々面白くなる予感。
そして、病院に行ってみる。
「タカハシシュウイチさまですね」・・・・?? なぜ。
緑川愛医師がいた?
事態は急展開か?
突然、殺されたのは? 誰? なぜ?
不妊治療とは? 実態は? 神の領域か科学か? それだけは・・・
深遠な問題。そして・・・ 現実は?
ぐんぐん惹き込まれる。
謎解き過程がとても面白い。
そして、衝撃の結末が。

わしの勝手なお勧め度。
星四つ半。
「兵諫」
浅田次郎 著。
「兵諫」とは、兵を挙げてでも主の過ちを諌めることーー
「中原の虹」や「蒼穹の昴」など、中国の清朝末期の騒乱時代を描いた大作が続いてあって、興味一杯で読んでいた。
創始者から伝わる龍の珠というのがあって、天下を統べるものは、おのずとそれを手に入れる。あるいは、手に入れたものが天下を得る。しかし、器量に合わないものであれば、砕けて散ってしまうというような話だ。
そうだいな歴史小説で余韻を残して終わってしまうんかと思ってたら、いろいろとその後が尾を引いていて、小刻みに物語がでてきてる。
またかと言う感がないではないけど、ここでは、二二六事件と、蒋介石に西安事件を結びつけて、日中戦争あたりの時代が描かれている。
確かに面白い話題が引き出せるシチュエーションではあるけど、ちょっと無理やり感もないではない。
いい作品は、あんまり次々に手を広げないで、余韻を残して、終わってしまって欲しいような気がするなあ。

わしの勝手なお勧め度。
星三つ。
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