最近読んだ本、「小説伊勢物語 業平」

  • 2026年3月30日
  • 5人

「小説伊勢物語 業平」

高木のぶ子 著

「現代に蘇るプリンスの恋」

すばらしい。

とても面白い。

読み始めて一気に惹き込まれた。

これはタダモノではない。単なる古典現代文読み下しの類ではまったくない。

いにしえの時代の流儀、物語ワールド。

婉曲。仄めかし。

皆までいえば無粋ではないか。

秘めたる想い。

もののあはれを歌で語る。

そこにある生き様の熱量は、ことば書きをそのまま読んでも、今の世の人に十分伝わるものではない。

帝王の子供に生まれた。

イケメン。歌が美味い。狩りやスポーツできる。

言う事無しの貴公子。しかし、藤原氏の時代。

立身出世も政治的なポジションも望めない。

富貴もだめ。

女たらしのフリして生きるしかないではないか。

悩み多き、プリンスの息遣いが立ち上がる。

ええですなあ。

筆の力ですなあ。

眼の前にいるように生々しくもある。

皇后にと定められた姫を背負って嵐の夜の逃避行。

それでいて、雅で、優雅でもある。

とてもエロチックでもある。

一生処女でと定めれた伊勢神宮の斎王代を孕ませる。

息を呑む展開。                                                                                                                                      

物語が躍動してる。

素晴らしい。

歌が美味い。

じわりと味がある。

よう考えたら、とても深い。

春日野の若紫のすり衣 しのぶのみだれかぎり知られず

起きもせず寝もせで夜を明かしては 春のものとてながめ暮らしつ

くれがたき夏のひぐらしながむれば そのこととなくものぞかなしき

あれにけりあはれ幾世の宿なれや 住みけん人のおとづれもせぬ

葎生いてあれたる宿のうれたきは かりにも鬼のすだくなりけり

うら若み寝よげに見ゆる若草を 人の結ばむことをしぞ思ふ

初草のなどめづらしき言の葉ぞ うらなく物を思ひけるかな

我ならで下帯解くなあさがほの 夕影待たぬ花にはありとも

二人して結びし紐を一人して 遭ひみるまでは解かじとぞ思ふ

世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

散ればこそいとど桜はめでたけれ うき世になにか久しかるべき

きみやこし我やゆきけむおもほえず 夢かうつつかねてかさめてか

かきくらす心の闇にまどひにき 夢うつつとはこよひさだめよ

もみじ葉の流れてとまるみなとには 紅深きなみや立つらむ

ちはやぶる神代も聞かず竜田川 唐紅に水くくるとは

秋の野にささ分けし朝の袖よりも 逢はで寝る夜ぞひぢまさりける

見る目なきわが身をうらと知らねばや かれなで海人の足たゆく来る

古典なのに、一気に読んでしまった。

とてもよかった。

わしの勝手なおすすめ度。

星五つ。

ブログランキングに参加しています。良かったら、下のブログ村のアイコンをポチンとお願いいたします。

にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村