過而不改（かじふかい）。
「過ちて改めざる、これを過ちという」というありがたいお言葉がある。
振り返ればわしの人生は過ちばっかり。
ああすればよかった、こうすればよかった。
後悔の涙で水没しそう。
例えば、こんなことがあった。
こどもの頃、貸本屋で本を借りるのにハマってたことがある。お小遣いの範囲で次々と新しい本が読める。これは嬉しい。
しかし、ある時、返し忘れて期限がすぎてしまった。大変だ。
払えない額になってしまった。親によう言わん。どうしよう。
さて、どうなったんやろ。忘れてしまった。
ある時、道を歩いてたら千円札が落ちてた。
天からの授かりものか、ラッキーとか思って、ポケットに入れてしまった。
届けるべきか？ ちょっと迷ったけど。
ある時、仕事で海辺の街に行った。前泊だ。
当然のように居酒屋に。海の幸がとても美味しい。お酒がすすむ。
いくらでも飲める。そして明くる朝。
起きられへん。強烈な二日酔い。
仕事に行かれへん。
それから、どうなった？ 知ってるけど。
ある時、仕事の後の飲み会でしこたま飲んだ。
いい気分で電車に乗った。家に帰るまでは何本か乗り換える必要がある。
最初のやつだ。ふと気がついた。
最初に乗ったはずの駅を電車が通り過ぎていく。しかも反対方向だ。
乗り換え駅はその線の終点やったんで、電車は、そのまま折り返したのだ。
このままでは、いつまで経っても家に帰られへん。
慌てて反対方向へ乗り換えた。
何度もありましたなあ。
クサい話？
ある時、急にお腹がいたくなって、トイレに行った。どこも満員だ。
困った。困った。
焦って探してたら、その施設関係者、利用者以外は使用禁止みたいな表示のやつを見つけた。こういう時は勝手に拡大解釈させていただく。
なんとか間に合った。
こんなのって、海外では鍵がかかってる場合がある。
幸い関係者やったんで鍵を開けてもらったこともある。
時にはお尻の制御は難しい。
こんなの数え始めたらキリがない。
きっと、ええこともそれなりにしてるけど。多分。
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