「最初の星は最後の家のようだ。」
太田愛 著。
短編集。SFショートショート的な? ミステリー的な? 死の匂いが・・
作者は様々な設定で、痛いほどの喪失感や切迫感を、隙のない緻密な文体で語ってきたが、常にその背景や前景に現実を浮かび上がらせるのを忘れない。
1.遊戯室 10月の子供たち
あの10月、「わたし」と僕は7歳。おとぎと現実が二重螺旋のように編み合わされていた頃。僕たちは同じ日に生まれた二卵性の双子だった。
母さん 5分で用意しなさい出発よ。 父さん 今回は特別のびっくりだぞ
そして23日間・・・・二人だけで・・・
そのあと・・
2.中庭 サイレン
私と浩太と佳代子。
浩太は団地からいなくなる。妻になった佳代子。
病気になって入院、浩太はこない。
そして団地も・・・
この団地でカーテンがかかっているのは僕の家だけ。
木村くんの弟がクジを買った。有金はたいて・・・
写生セット。
3.舞踏室 夏を刈る
お嬢様が17 わたしが15の年でした。
お義姉様の水絵様 お着物は放り出されている 義妹 さらわれ者
夫 偉智彦さまのご遺体が戻る日 車の事故?
芦田家 住み込み 川野さよ
芦田家の嫡男の死に先立つこと3か月、夏の園遊会の日に起きた悲劇
枯れ井戸の女の骨 水絵は銀座の高級クラブ 子供がいた
あの日、一体何が?・・・・・
4.書斎 鯉
絢子あやこ 朋子おばさんがなくなった
有馬の本家 横浜市内
残されたカメラ 現像してみる
京都旅行の写真 行けなかったのに
衝撃の事実が・・・・
5.階段 給水塔
エッセイ 異界、異形の者をめぐる記憶
心に残る話もあれば、難しい話も・・・
おろかなわしには、謎解き的なやつがわかりやすい。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ
「リペアラー」
大沢在昌
40年前、屋上で見つかった「行旅死亡人」は何者かーー?
「外傷はなく、事件性はなし」。死者の背後に隠された、巨大な秘密を解き明かせ
「行旅死亡人」の死の真相を突き止めろ。
チャラくて分かりやすくて、面白い。
想一はミヤビからおかしな調査依頼の手助けの依頼をうけた。
ミヤビは新人賞をもらったノンフィクション作家。
木村伊兵衛という怪しげな人物からの依頼。40年前の行旅死亡人の死の真相を突き止めろ。
今でも残る、六本木の古いビル、ローズビル。
米軍の新聞社が近くにあったらしい。
住人、元住人を訪ね歩く。
3階の竹本さん。中華料理店の店主。
占い、蓮華堂の婆さん。自称作家。
すこしずつ。何かが・・・
デニスという白人がキーマンなのか?
エムズハウスというジャズクラブでピアノを?
銀座のクラブ「夏」にいた人たち?・・・
昔の「キャスティーヨ」で起きたこととは?
話はわかりやすく広がっていく。
面白い。花がある。
出来過ぎなとこも・・・
わざとらしいとこも・・・
まあ、ええではないか・・・
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ。
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