終わりの時がきた。
最終日、最後のお客さんが帰られた。
この日は、16時半に終了する。
片付けをしよう。
もちろん設営よりははるかに楽だ。
額の箱を、それぞれの絵の下に置いてまわる。
やれやれ終わったかという、終わった感と、
もう終わりかという、寂しい感が相半ばしてる。
外は雨。小雨が降ってる。
朝乗ってきた車は終日最大料金有りのコインパーキングに入れてある。
出してきて、順番に荷物をつめていく。
ここのギャラリーは絵をフックで吊るすのではなくて、板壁に釘を打って引っ掛けるというやり方だ。
終わったら、壁に傷をつけないよう気をつけながらペンチで釘を抜く。
フックを外して片付けるよりは楽だ。
小雨にちょびっと濡れながらも全部終わった。
今回の個展を振り返る。
作品について。
今回は、”もっと自由に・・”という思いを強く持っていた。
作風がだいぶ変わったやんかと思われた方も多かったと思う。
前の方がよかったでと思われた方もいたかもしれん。
だんだん下手になるなあって思われた方も。
わし的にはこうやって進んでいこうと今も思ってる。
あくまでも水墨画である。
しかし、色を使わないということはない。色を使いたい時は色を使う。
今はクレパスの質感が気に入ってる。どう使うか。
額装について。
今回から、額装ばっかりではなくて、板に布を貼ったやつに絵を貼り付けるなんてのもやってみた。
わし的には気に入った。見てる方がどう評価したかはようわからん。
この方向でももうちょっといろいろ工夫してみたい。
よかった事。心に残った事。
今回個展をやって、一番嬉しかったことがある。
最終日、ある女性が見てはった。
たまたま、ブルーインパルスを通天閣の下で見ようと来てみたんやけど、空振りやった。
つい何の気もなくこのギャラリーに入ったんです。
ということだった。
アジアの絵が多い。よく旅に行きます。日本の原風景みたいなとこがまだ残ってて好きなんですよ。
なんて説明してた。
そしたら、急に「私涙でたきたわ・・」て言われる。
子どもの頃の田舎の暮らしや、都会に出てきてからのさまざまな出来事・・・・
そんなことがこころに浮かんできて、つい・・・・
というような話。
決してわしの絵が感動的やったとか、美味かったとか、どの絵が目についたからとかそういうんではなくて、
ただ、みてるうちに心のどこかの気分が、なにかに触れたんやと思う。
それにしても、なんだか嬉しい話ではないか。
こっちもうるっとなるではないか。
たまたまその人がそういう気分であったんやろけど、そんなきっかけ作りにちょっとひっかかることができたなんて、なんてありがたいことなんやろ。
これで又頑張れる。
また、ええ絵を描いて、みていただこう。
そんな気持ちになれたのだ。
とてもいい気分で個展を締め括ることができた。
残りの絵のご紹介。
キリギリス
昔はコウロギのことをキリギリスと言ったらしい。
絹本 F3号(22×27.3cm)
菩薩蛮
板に絹本を貼って、その上から絵を描いた。
ベトナムの大峡谷の絵
幽霊の絵
障子みたいなのに描いて中から光を。
個展の様子をユーチューブ動画にしました。ご覧ください。
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