「ペストの夜」上、下。
オルハン・パムク 著
「イスタンブールからの客船アズィズィイェ号がロドス島を通りミンゲル島に向かう」
わしの好きな作家。とても楽しみ。
この人の本を読むと、トルコ、イスタンブールに行きたくなう。
オスマン帝国皇帝、アブデュルハミト二世の命により、中国に派遣されたアズィズィイェ号が地中海を東に向かう。なんらかの密命が?
皇帝の姪、パーキーゼ姫とその王配、ヌーリー医師が乗っている。
突然、イズミルに寄港した。そこで、帝国の衛生総監、ボンコウスキー・パシャとイリアス医師が乗船。なぜか?
彼は、中国から広がってきた、恐ろしい疫病ペストをこの地で6週間かけて終焉させ、帝国の防疫体制を築いた人らしい。なぜこの船に? なぜ中国に?
そして船は密かにミンゲル島に向かった。
彼らはそこで下船。なぜか?
どうもそこで、ペストの流行の兆しが? 二人を残して船はアレキサンドリアに・・
ところが、事件勃発。
ボンコウスキーが殺害されたのだ。しかも、ミンゲル島ではペスト患者が増え続けている。
アズィズィイェ号はミンゲル島に向かへ。皇帝からの電報だ。
ヌーリー医師とパーキーゼ姫が上陸する。
そして、ミンゲル島で、ペストとの戦いの壮大なドラマが始まった。
果たしてボンコウスキーを殺した犯人は見つかるのか?
サーミー提督の下、ミンゲル島のペストは治るのか。
ネズミとの戦い。隔離と防疫。
ペストは、イスラム人地区で増え続けている。死人が増え続けている。
落日の帝国はこの島でペストを抑え込めるのか?
金持ちは逃げ出し始めようとしてる。
列強国の圧力が高まる。とうとう海上封鎖が始まる?
島はパニックに? 死者は増え続ける。 統制が効くのか?
そして、殺人犯は見つかるのか? 狙われたイリアス医師?
ネズミ草をごく少量ずつ?亜ヒ酸入りの殺鼠剤? 疑惑が広がる。
ラーミズ一派の処刑が?
ハムドゥッラー導師が・・・・? 祈りと護符がペストを癒せるか?
島は混乱の極みに・・・
とうとう革命が起きるのか?
キャーミル上級大尉が初代大統領に? ゼイネブとの壮絶な愛?
帝国から送られた新総督は?
サーミー首相は?
とても面白い。
体制は変わるも、ペストは治らない。規制の中で人々の心が疲弊していく。
お互いが疑心暗鬼に・・・
検疫部隊はもはや機能していないのか?
そんな中また事件が・・・・
イスラム導師を誰が抑えることができるのか?
神が病を治してくれるのか? 修行が病を防ぐことができるのか?
護符に威力があるのか?
新政権はあやうい?
ペストが治らない?
ヌーリー医師とパーキーゼ姫の働きは?
今や彼らだけがたより・・・
そしてとうとう・・・・・
地中海のある島で起こった疫病との戦い。
パンデミックの混乱。
コロナの時代のわしらにはとてもよく理解できる。
身につまされる。
壮大な物語にとても引き込まれる。
ええですなあ。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
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