「読書亡羊」
はるか昔の事。まだ若い、ピチピチサラリーマンやった頃。東京までの出張があって、新大阪駅にいた。新幹線、乗る予定のホーム?に列車が着いた。誰も降りない。時間はかなり早い。どっちのホームかようわかってない。かなりの数の人がドドッと乗っていく。何かしらんけどラッキーに先に乗れるんやろか?わしもつい付いて乗っていく。
ガラガラだ。車内放送は何もない。ベルも鳴らへんけど、列車は静かに発車した。
ん?。これって何かおかしい? 東京行きの新幹線とちゃうんとちゃうやろか?
とても不安になってきた。列車はスルスルと走る。
何か違う。茨木あたりで路線を外れた。??と思ってたら、車庫のようなとこに入って行く。どうやら、新幹線の作業場みたいなとこに来てしまったらしい。乗客はどうやら全員従業員だ。わしは慌てて、間違いを説明して、どうしたらいいか聞きにいく。時々そういう人がいるみたい。始末書みたいなのを書かされて、在来線の駅まで自分で歩いていって、あとは好きに。ということだ。
えらい冷や汗をかいてしもた。大幅に遅れて出張続行。
あんなとこに初めて行けたから、よかったかも知れん。
そう思っておく。
何かに気をとられたり、夢中になったりして失敗したなんてことはよくある話。
今の若い人は、ずっとスマホを見ながら歩いてる人もよくいるけど、そんなん大丈夫やろかってよく思う。ぶつかったりコケたり、道間違えてたり、いろいろあるんとちゃうやろか。知らんけど。
そういえば、こないだ居酒屋で酒を飲みながら本を読んでる人を見た。
とても珍しい。酒か本か、どっちがメインなんやろ。
「愛別離苦」
狭い町内ではあるが老人が多いせいか、葬式も多かった。
ところが最近めっきり亡くなる人が減ったようだ。
コロナのせいかと思ってたら、そうではない。残念ながら亡くなるはずの老人でさえいなくなりつつあるのだ。葬儀会場はいつもガラガラ、寂しい時代がやってきたではないか。
死亡通知も今までは一世代、二世代上の親戚の人たちが多くて遠くの話やったけど、この歳になると職場の同僚だったり、昔の同級生だったりが増えてきて身につまされる。
そういう年齢になんやなあ。
しかも、それがわかるのが1年以上経ってからというのが多い。知らない人から届いた年賀状で家の人がやっと気がつくという塩梅だ。本人が居ないからわからんのだ。
それでも、昔、一緒に仕事をした仲間や部下の人のことだったりしたら、特にコタえる。
そう言えば、ずっと前、出町柳の有名なうどん屋さんの順番待ちの行列でとなりあわせたご高齢の画家の女流画家の方、有名な人らしかったけど名前は失念した、その人が、他人の世話ばっかりしてたら、次々亡くなって行く、わたしの時はだれが見てくれるんやろって嘆いてはった。
わしは他人の世話はあんまりしてないけど、これからさき次々亡くなる人が増えるんやろか?
そして誰もいなくなった?
いや、わしが先やて?
みなさん、お元気で!
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