閑話休題。
いま、いろいろ昔の絵を描き直して紹介しているけど、その合間にできた作品を裏打ちしたりしてる。
というのは裏打ちがとても楽になったのだ。
今までは。
基本、表具屋さんに出している。
その前は、F10号程度の作品やったら自分でやってた。
しかし、とても面倒なのだ。
実は昔、裏打ちを習いに行ったことがある。プロの表具師さんが教えてくれる本格的なやつだ。
しかし、とても大変だ。
ベニヤのフルサイズ(90x200cm?くらい)の板が2枚以上要る。
1枚で裏打ち作業をする。あとの1枚(以上)でできたやつを干すのだ。
作業用の板は、作品の倍以上の大きさが要る。ベニヤの大部分を使うのだ。
作業が終わったら、乾燥用の板に貼り付けて数日間乾かさんとあかんのだ。
大きさ場所が要る。乾かす日数が要る。板やら道具やらを扱う体力が要る。
とても大変だ。それでいて、失敗することもある。
それなら、あまり料金が高くない表具屋さんを探して、頼んだ方が健康的だ。
幸い、九度山に越して来てからとてもよい表具屋さんとお付き合いが始まった。
受け渡しがやや面倒なだけで、受け渡しに来てくれることも多くてありがたいけど、何も不便はない。
ところが、最近とても便利な方法がわかった。
YouTube動画はとても便利。
最近、ユーチューブチャンネルでいろいろ勉強することが多くなったけど、そんな中で、水墨画の久山一枝先生が、ユーチューブチャンネルを開いていて、水墨画の描き方や道具の使い方を教えてくれているのだ。
わしはそれを友人に教えてもらった。
で、勉強のためにいろいろ見てると、裏打ちのやり方というのがあった。
簡単な裏打ち方法。
なるほど、とても便利だ。
作品よりちょっと大きめのスチレンボードを用意する。
F10号サイズならボードはB2くらいがちょうど良い。
作品を裏向きに置く。霧吹きで水を吹いて水刷毛でならす。
その上に作品よりちょい大きめに切った裏打ち紙をのせる。
その上に裏打ち紙の半分くらいのビニールシートみたいなのを載せる。
裏打ち紙を半分めくってシートの上に折り返す。
折り返した部分に、糊刷毛で糊をつける。
糊は和糊をつかう。糊がついた裏打ち紙を戻しながら作品に裏打ち刷毛で載せていく。
しわにならないよう丁寧にやる。
今度は反対側を同じようにやる。
このまま、スチレンボードの上に放っておいて乾かす。
乾いたら剥がす。
これでおしまい。
具体的には先生のユーチューブチャンネルをご覧ください。
大きい板を使うのに比べためちゃ簡単だ。
第一場所を取らない。B2サイズがのる机があれば良い。
この場合。スチレンボードを使うのがポイントになってるみたい。
スチレンボードは糊がついたときはひっついてるけど、乾いたら接着しない。
そっと剥がせば破れることなく剥がせるのだ。
乾燥用の大きな板を用意する必要はないし、乾燥に日にちをかける必要もない。
試しにやってみたら、随分うまくいった。
すべてを自分でやるわけではないにしても、小さい作品なら合間、合間にちょろっとやってしまえるのがとても便利。
これからも活用させていただこう。
他にも、便利なことがたくさんある。
墨を載せる皿。
硯から墨をとって、調墨して筆にとる皿である。
従来は絵皿みたいな白い陶器製のやつをなんの迷いもなくつかってた。
でも、百均でプラスチックの平皿を買ってきたらとても使いやすい。
墨の調整やから白がいいけど、形は四角の方がとても使いやすいし、百均のモノがとても扱いやすい。値段も100円やからどんどん使える。
とても楽に調墨できる。
ありがたい。
水差し。
これは衝撃。
水差しに、調味料入れみたいなのを使う。
一滴単位で水を入れることが簡単にできる。
今までは、有名ななんとか焼きの陶磁器のかっこいいやつなんて探して買っていた。
でも、時にはドボっとでたり、苦い目にあうこともある。
これがあると硯に水を足すときにも、皿の上で調墨するときもとても楽だ。
文房四宝。
今までは、文人画を目指すものの嗜みとして、書画の道具にはいろいろ凝ってみる。
その凝りようが、使う人の知性を表すなんて言葉に引きずり回されてたきらいがある。
ちょっと視点を変えれば、便利なものはいくらでもある。
高価な道具を買わなくても、百均などもとても使い勝手の良いモノがいくらでもある。
こういうことを発見させていただいた。
まさに目から鱗。
これはいかん。
囚われ眼でモノを見てるしかない、ワシが恥ずかしい。
そっこく百均でモノを揃えた。
環境が一変した。とても使いやすい。
ありがたい。
でも、これで、絵を描く技量が上がったわけではない。
それはまた別の話。
もっともっと頑張って、ええ絵が描けるよう研鑽せんとあかんのだ。
そういえば、水墨画の描き方のチャンネルもありますなあ。
がんばりましょう。
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