最近読んだ本、「存在のすべてを」、「大作家でも口はすべる 文豪の本音・失言・暴言集」。

  • 2024年4月16日
  • 35人

「存在のすべてを」。

塩田武士 著。

あじあん

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮!真実を追求する記者、現実を描写する画家。

いきなり誘拐。

また、誘拐。

まさか同一犯か? まさか陽動作戦か?

緊張する捜査陣。慌てふためく対応班。

敵の方が上手を行ってるではないか。万全を期したつもりが・・

後の方が本命か? しかし、やっぱり金の受け渡しが問題だ。

暴走マルK・・ 無理もない。

そして月日が流れる。

ある日、突然、亮ちゃんが帰ってきた。何故か? 今頃? 何があった?

全くわからない?

捜査班は解散。

それでも忘れられない男たちがいる。刑事も老いた。記者も老いた。

ある時、「イケメン人気画家は誘拐事件の被害者だった」が話題になった。

如月脩。

ひたすら写実を描く画家。普通のありふれたモノ、ヒト、風景、それがとてつもなく心惹かれるものになっている。

彼は、いつ? 誰に? 絵を習ったのか?

旧弊な画壇の徒弟制度的な世界から弾き出された天才画家がいるのか?

事件がわすれられない男たちが追い求めるものは何か?

小さな痕跡の欠片を集めたら何が見つかるのか?

京都へ、滋賀へ、そして北海道へ。

忘れがたいものがある。なくせないものがある。

忘れなくてはいけないものがある。捨てなければいけないものがある。

2人の愛があまりにも切ない。

彼らをつなぐものは何か?

探し回った末に見つけたものは?

彼の絵がとらえた世界は?

教えた画家が見せた世界は?

とても感動的だ。すばらしい。

次はどうなる? それから何が? ワクワクドキドキ。

一緒に腹をたてる。一緒に泣く。

ええですなあ。

終わるのが惜しい物語。

 

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星五つ。

「大作家でも口はすべる 文豪の本音・失言・暴言集」。

彩図社文芸部 編

あじあん

「芥川賞を私にくれると佐藤先生は約束したはずなんですがねえ・・・」

今は、ネット社会、SNSの社会。

失言、暴言はバズる話はいくらでも世の中に溢れてる。

なんだかんだと吹きまくってたら、いつのまにかインフルエンサー、ユーチューバーで大儲けしてるひとがいてる。

かと思えば、頑張ってた人でもちょっとしたことで、足引っ張り、出る釘打ち、誹謗中傷、あることないことであっというまにひきずりおろされる。

なんだか殺伐とした世界ではないか。

こんな、失言、暴言集って返って微笑ましいではないか。

案外、おもしろい。

微笑ましい。

第一章 口が滑って大目玉をくらう

一、佐藤春夫を皮肉って大目玉をくらう太宰治

二、井伏鱒二を怒らせて平身低頭の太宰治

三、兄を呆れさせて恐縮する太宰治

第二章 酒が入ってうっかり失言

一、酔ってついつい暴言が出る中原中也

二、坂口安吾の破天荒な飲みっぷり

三、酒癖が悪すぎて顰蹙を買いまくる漱石の弟子

四、高村光太郎、酔ったせいか森鴎外を怒らせる

第三章 原稿をめぐるいざこざ

一、編集者と作家の攻防

二、文芸の商業化に苦言を呈する佐藤春夫

三、作家兼編集者たちの驚きの言動

第四章 愚痴や文句が喧嘩に発展

一、漱石の愚痴と癇癪

二、夏目漱石対自然主義者たち

三、同業者をこき下ろす作家たち

四、菊池寛に企画をパクられたと怒る北原白秋

第五章 性愛がらみの問題発言

一、谷崎潤一郎の自由過ぎる性愛

二、軽はずみな発言を連発する芥川龍之介

三、遊びのつもりが痛い目にあう石川啄木

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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