最近読んだ本、「777」、「こんなもんじゃ 山崎方代歌集」

  • 2024年2月7日
  • 46人

「777」。

伊坂幸太郎 著

あじあん

不幸な彼女と不運な殺し屋。

素晴らしく面白い。痛快無比である。

「必殺なんちゃら」みたいな話かいなと思いつつ読んでたら、そのようでもあるし、もっと奥がふかいようでもあるし、もっと楽しいようでもある。

とにかくぐんぐん引っ張られてあっという間に読んでしまう。

とっても運が悪い仕事屋がいる。七尾、天道虫と呼ばれてる。

何をやってもうまくいかない? 今回は、簡単で安全。絵をとどけるだけだ。

高級ホテル、ウィントンパレスホテルの2010号。娘から父へのプレゼント。簡単で安全。

ところが・・・。

モウフとマクラが客室清掃員の服装でシゴトをしてる。シーツをあやつる名人だ。あっというまにグルグ巻きされて簡単きコロシた? あるいは死体の片付け?

これまで馬鹿にされる人生だったけど・・・ 乾がシゴトをくれる?

紙野結花はココに会いにホテルの部屋へ。彼女はどうにもならない不幸を抱えている?

とんでもない記憶力の持ち主なのだ。見たものは何でも覚えてしまう。どんなささいなことも、どんな長いパスワードでも。そして忘れることができない。それが良いことばかりではない。時には大きな災いを招く。

そして、どうも誰かから探されているみたい? 乾か? 彼は獲物を解剖して楽しむそうな?

恐ろしい。ならば、見つかったら殺される?

ココはおばさんハッカーである。逃がしやである。はたして助けてくれるのか?

6人のスイスイ人登場。スイスイ人とは、スイスイとスマートに人生を歩ける人たち。何をやっても人から信用される、最初からなんでもうまくいく、そういう外観を持った人たち・・・

彼らは吹き矢で人を殺す。人の苦痛に喜びを感じるやつらだ。

そして、このホテルにあらわれた。

乾にやとわれたか? 結花を見つけるシゴトか? 絶対殺してはならない?

防犯カメラをハックしたココは彼らの動きを探りながら逃げ方を探る。

エレベーターか非常階段か?

逃げろ、逃げろ・・・

確か助っ人のボディガードも頼んだはずだ。しかし現れない?

ホテルには、有名人が現れた。

蓬長官だ。快速列車殺傷事件で秘書と犯人取り押さえたあの人だ。池尾充と記者がインタビュー取材するのだ。

なんだかんだとホテルの中は密かに大騒ぎが勃発してる。

さて、これからどうなる。

誰が誰を殺すのがシゴトなのか?

そしてやっつけられるのは誰なのか?

ワクワク、ドキドキ。とても面白い。

そのホテルには、物騒な奴らが群れをなす!

映画やテレビドラマを見るより面白いんとちゃうやろか。筆の力!

すごい。

ズンズン読んでしまった。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

五つ

「こんなもんじゃ 山﨑方代歌集」。

山崎方代 歌。

あじあん

「こんなところに 釘が一本打たれていて いじればほとりと落ちてしもうた」

ふとしたことからこの人のことを知った。

「漂白の歌人」と言われる人。なんだか興味深い。

口語体の短歌。無用の人と自らを読んだ、らしい。

なんかわからんまま、この本を古書で買った。

孤独と寂寥が漂うような。素朴なような、思ったことをずばりというような。

素人には評価はわからんけど、とても気になる。

心がざわざわするような歌が載っている。

生涯独身.

太平洋戦争で右眼を失明、左眼の視力もわずかに。

厳しい人生だ。

心揺さぶられる歌が多い。

哀しくてついていけない歌もある。

ここ過ぎてうれいは蒸し西行の歌の秘密はいまも分からない

甲州の柿はなさけが深くして女のようにあかくて渋い

本の後ろの方に、「私の一首」として有名人がえらんだやつがのってる。

卓袱台の上の土瓶に 心中をうちあけてより 楽になりたり 東海林さだお

こんなにも 湯呑茶碗はあたたかく しどろもどろに吾はおるなり 俵万智

このように なまけていても人生に もっとも近く詩を書いている 谷川俊太郎

石の上に 雪がひそひそつもりおる かたわらに立つ吾すらもなし 中野翠

戦争が終わったときに 馬よりも劣っておると 思い知りたり 小島信夫

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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