最近読んだ本 「夜果つるところ」、「モンパルナス1934」。

  • 2023年11月10日
  • 20人

「夜果つるところ」。

恩田陸 著。

あじあん

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。

恩田陸によるミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』作中で、幻の作家・飯合梓の唯一の著作として登場する『夜果つるところ』。という設定だ。『鈍色幻視行』は読んでないんでその心は、わからん。後で読んでみんとあかんのだ。

さて、

昭和初期、山間の遊郭、「墜月荘」。「私」は「三人の母」とともにーー明けない夜を生きているーー・

日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。

館に出入りする男たち。妖しい。

用心棒。種彦さん。マサさん。

久我原が舞い 子爵が謡う 着流しの笹野。

館は奇妙な色をしていた。屋根は黒の瓦ぶきだったが、壁は何でできているのかよくわからなかった。煉瓦なのかコンクリートなのか・・・渾然一体紫がかった灰色

夕暮れがせまり、玄関に打ち水がされ、その打ち水に灯りが滲むような時刻になると館は一変した

ひとつのランタンのように妖しい色に浮かび上がる 館は闇の中で覚醒する。

妖しい。

和江、夫が死んでる。夫の弟が恋慕、夫は恐ろしいことを、妻を上司に抱かせる???

生まれた子が私? 憎しみの的? お前は悪魔? 孔雀のように

鳥籠に向かって罵るくらし、最後は切られて?

交流部とは?

軍服を着た人たち?

何が画策されているのか?

何が起こるのか。

りんがあだなをつける だるまさん はたき 凍み豆腐 匕首 なめくじ

スケッチ 亡霊

作家 笹野をたずねる女妊娠 初子 犯され 飛び込む なめくじが

カメラマンが潜入 種彦の秘密 おとこが心中相手。

おどろおどろしい。

墜月荘の最後の日々。

とても面白い。

わざとらしさもしゃれのうち。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

「モンパルナス1934」。

村井邦彦x吉田俊宏 共著。

あじあん

華麗なる時代の華麗なる人たちの華麗なる日々。

表紙帯の文より:::

「文化人のサロンとして知られる「キャンティ」創業者の川添浩史は1934年に21歳でパリへ渡り、モンパルナスを拠点に国際感覚を身につけた。

本書にはパリで川添と親交のあった若き日のロバート・キャパや岡本太郎、坂倉準三、原智恵子をはじめ、ジャン・コクトー、ポール・ヴァレリー、オーギュスト・ペレ、ジャンゴ・ラインハルト、ゲルダ・タロー、藤田嗣治、仲小路彰、三浦環、吾妻徳穂といった国内外の著名人が数多く登場する。」

昭和の息吹が聞こえる。

日本の芸術が、映画が、音楽が、立ち上がって、ヨーロッパに向かう。

そんな時代だった頃。

そんな時代を作っていった人たち。

とてもカッコいい。

カッコいい人たちがカッコよく活躍する。

なんだかすごい。

明治の元勲の孫やら、子孫やら・・・

読んでるだけで目の前が華やかになる。

カッコ良い。

でも、庶民の爺さんにはそこそこ違和感。

それが何なんや!

でも、面白い。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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