最近読んだ本、「リバー」、「江戸絵画お絵かき教室」

  • 2023年10月12日
  • 19人

「リバー」。

奥田英朗 著。

あじあん

同一犯か?模倣犯か。

ある日、群馬県の桐生警察に衝撃が走る。の渡良瀬川河川敷で若い女の全裸死体が発見されたのだ。両手は後ろで縛られ絞殺されていた。

しばらくして、今度は栃木県足利市のやはり渡良瀬川河川敷で若い女の死体が。

刑事たちの脳裏に一瞬で10年前の悪夢が蘇る。

全く同じような連続殺人事件があったではないか。

しかも、10年前の事件はまだ未解決だ。同一犯が再び犯行に及んだのか?

なぜ10年後?

群馬県警、栃木県警、本庁の合同捜査本部が設定され、威信をかけた操作が始まる。

しかし、敵もさるもの殆ど証拠が発見できない。

防犯カメラの映像が全く出てこない。目撃情報が全くない。

容疑者が浮かび上がらない。

聞き込みが続く。

そんな中、10年前の容疑者にこだわり続ける元刑事がいた。「ヤツ以外に犯人はありえない。あんなオトコは社会に害毒を及ぼすだけだ。絶対に証拠を掴んで見せる」。退職の身でありながら全力で操作に協力する。あるいは、10年前に娘を殺された写真館の父。「犯人はかならず現場に戻る」ことを信じて、現場近くで写真をとり続ける。

塵も積もれば山となる。瓢箪から駒がでる。

見る目があるか、見る気があるか、膨大な塵のなかからお宝を発見するのは至難の技だ。それでも少しずつ浮かび上がってくるモノがある。

ある日、不思議な不審者が浮上した。県会議員のドラ息子? それがまた、奇矯なふるまい? 多重人格?

もしかして、内部に潜む暴力人格が何かやったか?

執念の写真家が炙り出したものは?

10年前の容疑者にも怪しいフシがあるではないか?

そして新たな、とっかかりも?

関係者の、老も若きも、警察人も一般人も、これにかける執念が少しずつ埋もれたモノを掘り起こして行く。

名探偵が出てきて、複雑にもつれた事件を一気に鮮やかに解きほぐして見せるというミステリーではない。

地道な丁寧な聞き込みと、遺留品や関連物の徹底的な調査が気づかなかった何かを炙り出していく。

とても面白い。

地道な進行が、好感。

ええですなあ。

実はわしの父親は警察官だった。ずっと刑事やった。

子どもの頃の生活を思い出す。

大変やったけど、カッコよかった。

一気に読んだ。

ええですなあ。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

「江戸絵画お絵描き教室」。

府中美術館公式図録。

 

あじあん

巨匠の絵をお手本に。

悪く言えばパクリやけど、良く言えばオマージュなんて話を聞くけど、昔から、絵の世界では、先人の名作を模写することが最大の勉強だったし、今でもそうだ。

わしが、老齢になってから、中国の杭州にある中国美術院に短期留学してたときも、メインは、宋や元の名作を模写することやった。中国の絵の原点が宋代や元代の絵にあるとやかましく教えられた。

そんなもんだ。

毎日毎日模写の日々でした。

この本は、模写のポイントを教えてくれる。

美術館でこういう教室をやってるみたいで、そのテキストみたい。

日本画でも、それぞれの流派の家には代々伝わるお手本帖みたいなのがあって、弟子たちはそれを日々練習すると共に、作品を描く場合はそこから必要な部分を抜き出して、使ってたんでしょうな。

そういうのを美術展で見たこともよくある。

狩野派やら、四条派、などなど・・・

北斎漫画もその一種と言える。これがまたええんですわ。

丸山応挙の可愛い犬の絵なんかも・・

牧谿の猿は、橋本関雪の絵にもでてきますなあ・・

こういう本を読んでる、見てると、基本を勉強する刺激にもなるし、絵を鑑賞する時にとても参考になる。

とても良い本なのだ。

勉強しなくては。

いろいろ、なんでも描けるようになりたい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

あじあん

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