「教誨」。
柚月裕子 著。
幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――
「約束は守ったよ、褒めて」
ミステリーと思って読んだら、そういうもんではない。
謎解きかと思えば、そう、ずっと、何故? どうして? に引っ張られて最後まで読んでしまう。
ずっと心がざわざわする。
こんな話、あんまり好きとちゃうわと思いつつ、筆の力に引っ張られて読んでしまう。
ある日、吉沢香純は東京拘置所から突然の電話を受けて、驚く。いつのまにか死刑執行人の身柄引受人に指定されていた。響子、母の従姪というだけの人。多分、子供の頃、一度会ったことがある。
儚げな人だった。
気が進まないけど無碍にもできへん。受け取りに行く。
最後の言葉は「約束は守ったよ、褒めて」と聞いた。
この意味は? なぜ?
そもそもなぜ死刑になった? 幼い我が子と、もう一人幼女を殺した。
なぜ? なぜ、そんなことができる?
そして遺骨はどうする?
響子の本家に打診。断られる。なぜ? わからんではない。本家の菩提寺に直接行ってみよう。
住職の紹介で話を聞ける人が?
いったい何があったのか? 響子の凄まじい人生が少しずつわかってくる。
夫の暴力、家庭のいじめ、田舎のいじめ、家庭崩壊? ・・・・
こんな事に耐え切れるのか? 人格が壊れないのか?
かげろう橋で起こった事・・・
我が子を手に掛ける闇・・・・ なぜ栞ちゃんまで・・・・
誰も関わりたくない。話したくない。それでも少しずつわかってくる。
暗くて、重い話。
やりきれない。
文の力に引っ張られて読んでしまう。
せつない話だ。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
「ステイト・オブ・テラー」。
ヒラリー・R・クリントン、ルイーズ・ペニー。
大物政治家が書いた本?
当選したばかりの大統領は、予備選でライバル候補を支援してきた最大の政敵を国務長官に選んだ。
なんだか、いきなり生臭い?
新たな国務長官エレン・アダムスは、過去四年間、前政権が犯罪的な無能ぶりを発揮して合衆国を死に体にしていくのを目の当たりにしてきた。
なんだか、ほんまかいな? 誰のこと? あのおっさん?
新大統領が就任して一般教書演説を始めた頃、事件が起こる。
それは、奇妙な数字と記号がならんだメールから始まった。
そして、ロンドンでごく普通の路線バスが爆破された。
無差別爆撃のようだ。多くの死者が出てる。
何者が? テロか? ターゲットは?
もちろんアメリカの諜報機関が動き出す。英国も。
そして少しずつ、わかってきた。
なんだか、国務長官やら、その家族がえらく活躍してる。
アルカイダか? アラブか?
なんだか、妖しい武器商人が?
テロが核と結びつくのか?
もしかして内部に??
なんだか、トランプ攻撃と自画自賛が混ざってないやろか?
国務長官経験者にしか描けない、米国安全保障戦略の複雑な内幕?
そうかなあ?
話はとても面白いけど。
違和感も多い。
ちょっとも一つやったなあ。
わしの勝手なおすすめ度。
星二つ。
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