物置の整理が続く。
さて、前にも、年寄り(わしかて十分としよりやけど)が残した物置の残骸を整理してる話をしたことがある。まあ、いらんもん、つかわへんもん、役にたたへんもんがどっさりあるやんか。
引っ張り出しては、捨てに行く。軽トラがないんで大変だ。
コンパクトカーの荷台を倒して、ブルーシートを敷いて、積めるだけつんで、広域ゴミ処理センターに持ち込む。
もう何回運んだことやら。
爺さんが頑張ってもたかが知れてるんで、体をこわさんよう、すこしずつやってる。
そんな中でもたまにええもん見つけることがある。
古時計を見つけた。
今回は古時計を見つけた。
と一旦は思ったけど、いや待てよ。
動いたらおもろいやんか。
難しいとこが壊れてたらお手上げやけど、できる範囲で。
まず、ゴミを拭き落として、ガラスにクリーナーをかける。
全部ガラスというのがええなあ。薄いけど割れてない。外れかけてるけどなんとかなる。
蝶番やドアノブなども調べてみる。とてもちゃっちくて、繊細ではあるけど、かわいい。
昔のモンってこんなんなんやなあ。今とはちょっと思想が違う。
安全確実ではないけど、これはこれでいいのだ。
しっかりしたモンと入れ替えるよりはこのままにしといた方がいいと思う。
メカは裏蓋を外さんと見られへん。しかし、裏蓋を外したら全部が壊れそう。
とりあえず届く範囲でメカの中枢部に潤滑剤をシュッとする。
ボンボーンて鳴る方、左のゼンマイは動かへん。
いけるかも知れん。
振り子をつけて動かしてみる。ちゃんと動くではないか。
しばらく動かしておく。
1時間たっても大丈夫だ。メカの基本的なとこは壊れてない。
ええやんか。
早速、使ってみよう。
何の問題もない。ゼンマイは1週間に1回くらい巻いたらちょうどええみたい。
ときどき、ギリギリ、ガシャって、ゼンマイが戻る音がするのがまた良い感じ。
身近にこんなのが動いてるととても安心感がある。
ただの時計という以上の存在かもしれん。
愛用しよう。
ところでこれっていつ頃のモンなんやろ?
裏蓋に、修理補償証が貼ってあった。修理後1年補償するって書いてある。
4枚重なってるんで、4回修理したんやと思う。
一番新しいやつは、大正11年。1922年、101年前だ。
その下にあるのは、拾参年と書いてある。下にあって13なら大正ではない。
明治13年?、43年、33年、23年かもしれん。明治43年としたら。1910年。113年前。
その前に修理より12年前、そんなもんか。後の2枚は下になってるんで何年わからへん。
10年に1回の修理と考えたら、ザクっと130年前くらいやろか?
明治の中頃のモンなんやろか? 面白いなあ。
いつまで動くんやろ。
ゼンマイが切れたら修理する方法はあるんやろか?
それなら壊れたボンボン鳴るやつも復活するかもしれん。
色々やって楽しんでみよう。