踏切で乗り遅れた小学生の話。

踏切で乗り遅れた小学生の話。

ある日、九度山の駅で電車をおりた。ここに住んでるから家に帰る為だ。 南海高野線は橋本駅から先、終点高野山極楽橋までは田舎のローカル線だ。 駅をおりたら出口まで線路を渡って行かんとあかん。 目の前で遮断機がおりた。 改札まで行かれへん。

 

対向車線の電車が出るまで渡られへん。 時刻表の関係か、こうなることが多い。かなわんなあと思いつつ遮断機が上がるのを待つ。 ふと、向こう側を見ると小学生が無念そうな顔で、待っている。

なるほどなあ。かわいそうに、この子は遮断機があがっても電車に乗られへん。

遮断機があがるということは乗る予定の目の前の電車が出て行ったということなのだ。 次の電車は30分後。 改札は通り過ぎてるから戻られへん。無人駅だ(インターホンで連絡したら出れんことはないけど)。 なんだかなあ。

 

時間に間に合うように来ればええじゃないかと言うてしまえばそれまでやけど。 学校から駅に車で踏切は渡ってる。その時はまだ間に合った。そっから、改札通るあいだのタイミングで遮断機が降りてしまった。 なんだかなあ。

   

そんなのを日をおいて最近二度連続で見てしまった。 九度山町って、山間部が多くて相当広範囲に渡る。そやから、通学範囲も相当広い。 わしらの年代の人に話を聞くと、2時間以上もかけて山道を通学したという経験を持つ人も多い。わしは、ここの生まれではないんでようしらんけど、そういうのが当たり前の土地柄でもあるらしい。 今では、そんなことはないと思うけど、バスの便がええわけでもないんで、電車を使ったり親が車で送り迎えということもあるんかもしれん。子供が少なくなって学校は増えるよりも減るばかりだ。

 
 

田舎の暮らしは、とても良いけど、不便なことも多い。

電車は、南海高野線が一本あるだけ。隣の橋本市や大阪市方面に出かけるのはとても便利やけど、近場に移動するのに向いてない。 隣町の高野口町まで行けば、和歌山市と五条、奈良方面を結ぶJR和歌山線があるけど、最寄駅まで歩いて30分ほどもかかる。

 

路線バスもあんまり充実してないんで、みなさんもっぱら車に頼ってる。 過疎地の典型である。 爺さん、婆さんが軽トラで走り回ってる。これはこれでとても良い。 ディサービスの車も走り回ってる。 日本の田舎の町の典型である。 わしは、自分の足で歩ける術をなくさんよう。頑張らんとあかんなあって痛感する。

 
九度山町の地図
あじあんじゃんくしょん
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