ごはんを食べて、まだうろうろしてたら意外と時間がたってしまった。急がないと19:30の
集合時間に間に合わない。あわてて歩いたので結構温まった。そのまま車に乗って、真っ直ぐ
駅に向かう。と思ったら、向かわない。
わざわざ混雑した旧市街の真ん中にどんどん入って行こうとしているようだ。
ホテルの前で止まった。欧米人のカップルが二人乗ってきた。こうやって、ホテルを順番に
回ってピックアップしていくようなのだ。旧市街は狭い。車同士がただすれ違うことさえ
難しいのに、所々に路上駐車している。それで車が止まると、すかさずバイクが摺り込んで
くる。一台や二台ではない。車もじりじり入ってくる。一瞬でにっちもさっちもいかなくなる。
「そんなんわかってるやろ」とこちらはおもうが、先読みはしないのか、それでも
引くのがいやなのか。わかりきった土壺にはまっている。そうなるとこんどは世話焼きが
登場して、交通整理だ。自ら禍をまねきながらそれを楽しんでくらしているのかもしれない。
そんなこんなでかなり時間がかかってしまった。車内はほぼ満員だ。カップルの旅行社が
多いのでお互いに喋っている。何語かさっぱりわからない。
私の隣には、単独行の人が座った。私が偏屈そうな顔をしてると思ったのか話しかけては
こない。私も人見知りが強いんでそのままでもええんやけど、せっかく旅に来たんやからと、
思い切って声をかけてみた。ありがたい事に反応が大きい。
カナダから来たそうだ。しかし、もともとはベトナム人なので祖国を見にきたそうだ。
いろいろ一生懸命説明してくれる。このまま同じ行程なら楽しい旅になりそうだ。
「ベトナム語が喋れるから困ったら言うてくれ」
こりゃあ安心や。
駅に着いたらもうすっかり夜だ。ここでやっと列車のチケットを渡された。
これに乗って、ラオカイというところまで自分で行って、向こうに着いたら、又、
旅行社の人が看板を持って立っているからその人に着いて行けという事だ。
ちょっと不安だがしょうがない。
出発は21:10分、あと30分くらいしかない。ハノイB駅というのは、メインであるハノイA駅
の線路を挟んだ丁度反対側にあるこじんまりした駅舎だが、今は、旅行者でごったがえして
いる。ホーチミンなんかに行く幹線はA駅を使うし、ラオカイなどの地方線はB駅を使う
ようだ。一応何番線にはどこ行きと書いた看板がある。ようだ。ベトナム語で。
「どうすりゃええんや?」と思ってたら一応列車の近くまでは案内してくれるようだ。
というのは、来たメンバーのそれぞれ乗る車両が違うし、列車が違う場合もあるのだ。
「お前は向こうの一番後ろ」と言われて、一人とぼとぼと最後尾まで歩いて行った。
プラットホームはなくて線路の横の砂利道を歩くのだ。真っ暗な中、線路にそって光る
街灯のあかりだけがたよりだ。
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