映画、「呉清源~極みの棋譜」

「呉清源~極みの棋譜」、見たいなと思っていたのですが、
下町の2番館でやっていました。
天神橋の「ゆうらく座」です。この映画館は実に久しぶりなので自信を持って
行ったはずなのに場所がわからない。「駐在所」で聞いてやっと見つけました。
それで、残り時間が少なくなってしまった。しかし腹も減った。
近くで立ち食いうどんを食って行きました。
カロリーが低めなので、時間がない時にはちょうどいいのです。
館内はがらがらでした。マニアックな映画なんかなあ。

碁や将棋の勝負の事を書いた本は随分沢山よみました。
山口瞳の本には、将棋指しの話が沢山でてきます。
保坂和志の「羽生」でも天才の将棋感が躍動していました。
沢木耕太郎の「馬車は走る」には趙治勲の話がでてきます。
異国での暮らしの孤独と不安の中で、「英才の道」を走り、走らせられる男の話です。
いずれも勝負師の夫々の生き様を生き生きと描いていて楽しいけれど
共通するのは勝負の美学のようなものに思えました。
人生や生き様がその美学にどのように投影されているのかが
切り取られて浮かび上がってくるように思えます。

この映画はそういう美学を描こうというのではないようでした。
むしろ、求道者としての生き様が色濃く描かれています。
「真理を求める事が、碁を極める事」という生き方なのか。
あまりにもストイックな生き方は、見ていてちょっと疲れます。
あの戦争の時代に敵国と呼ばれている国から来て、しかもその国の
人を勝負で負かす人にならないといけない人の生き方って
凄まじいものだったんでしょうね。

それにしても、あの時代の「トヨペット」ってかっこいいね。
今でも乗りたいくらいだ。

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毎週木曜は映画や音楽、書画に関する話です。