村上春樹、「女のいない男たち」。
村上春樹の短編集。
わしは、つくづくミーハーやなあって思う。
ある日、アカデミーなんちゃらの発表があって、日本の映画が選ばれてた。
たしか、「ドライブ・マイ・カー」だ。その原作が村上春樹ということだった。
いや、読んだことないけど。
ちょっと興味あるなあ。映画を見るかどうかはわからんけど、本は読んでもええなあ。
てなことで図書館の予約リストにエントリーした。
順番は結構あったけど、やがてわしの番がきた。
わしはハルキストではない。
でも、ノーベル文学賞の発表があるたびにどうせなら日本人がもらってしまったらええなあって
思いはする。
でも、この本を読んで思った。
モノ書きとしてはすごいんやろけど、とても上手なストーリーテラーではあるけど、
感受性の低いわしには夢中になれにくい面も・・・・。
・ドライブ・マイ・カー
黄色のサーブ900コンパーティブル登場、かっこええなあ。
家福は演劇俳優。事情があって運転ができないんで運転手が必要。
渡利みさきがドライバーとして雇われた。
家福とみさきの会話から物語が進んでいく。
彼の妻は美人女優。ある時、子宮がんを発症してやがて亡くなった。
妻は時々、男と寝ていた? それは誰だ。
その男と友達になれるか?
そして・・・・。
・イエスタデイ
ビートルズのイエスタディを大阪弁で歌う木樽という男。
昨日は/あしたのおとといで/おとといのあしたやで・・。
彼には恋人がいた? 幼馴染のガールフレンド?
どうしても恋人=セックスの相手として見られない?
氷でできた月の夢?
夢というのは必要に応じて貸し借りできる?
・独立器官
渡会は美容整形のクリニックの医師。
女性たちと食事を共にし、ワインもグラスを傾け、会話を楽しむこと自体がひとつの
純粋な喜びだった。セックスはあくまでその延長線上にある「もうひとつのお楽しみ」
に過ぎず、それ自体が究極の目的ではない。彼が求めるのはなによりもまず、
魅力的な女性たちとの親密な、知的な触れ合いだった。
その彼に起こったことは?
すべての女性には嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき備わっている。
それがなんだ?
シェラザード
羽原と一度性交するたびに彼女はひとつふしぎな話を聞かせてくれた?
・木野
妻が不倫を目撃してしまったわたしは、仕事をやめて叔母さんの店を借り
バーをひらいた。ジャズが流れる小さな店だ。
野良猫が幸運を運んできた?
神田があらわれた?
やくざがあらわれる?
猫? 蛇? 神田?
・女のいない男たち
女のいない男たちになるのはとても簡単なことだ。一人の女性を深く愛し、
それから彼女がどこかに去ってしまえばいいのだ。
ほとんどの場合 彼女を連れていってしまうのは奸智にたけた水夫たちだ。
なんて話。
中村清次、「シルクロード 流沙に消えた西域三十六か国」。
シルクロードとか西域とかいう言葉にわりと反応してしまう。
「NHK特集 シルクロード」なんかもよくみさせていただいた。
その結果なんかどうか、実際に旅にも行ってしまった。
敦煌、莫高窟。
中国語の案内人しかいなくて、わけわからんかったけど、壁画だけ見ててもとてもよかった。
それから、玉門関へ。
ほんま、砂漠の真っ只中、タクシーを雇って走っても走っても何も無い。
砂漠の中。ついたら、土の塊がそれらしき・・・。
怪人に帰す。あるいは、すべては土に帰る。とはこのことか。
しかし思うことは沢山ある。とても良い。
ウルムチやトルファンにも行った。
こういう本に描かれる世界だ。とても良い。大好きだ。
火焔山やら、トルファンの葡萄畑、高昌故城ベゼクリク千仏洞。
すごいなあ。プラスチックがない時代やからすべてが土に帰るというのは
見事というほかない。
何にもまして、このあたりに残る壁画の顔や描線はまさに法隆寺や飛鳥のお寺に
残る仏像や、装飾具の絵柄にほとんどそっくりというのが、何とも親近感をいだく
所以ではないか。
この本を読んでると、そういう旅に行ったときのことがまざまざと蘇ってくる。
見残したこと、やり残したこともいっぱいだ。
も一回行きたいという思いがいっぱいだ。
その上、まだまだ行ってないところも多い。
今となってはいけるんやろか?
中国では、この辺りはとても敏感な地域になってる。当時もわしらのような通りすがりの
旅行者がちらっと感じる程度のなかでも、今から思えばそやったなあって思うような
ことがいくつかあった。
これからは旅することも難しい?
まして、パキスタンや、アフガニスタン側に入ってしまったら、身辺の危険さえ伴うのでは
ないかと心配でもある。
しばらくは、こんな本を読んで想像の中で旅するしかないみたい。
残念ですなあ。
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ありがとうございました。