先日、「対決巨匠達の日本美術」という展覧会を見に行ってから、雪舟にすっかり
魅せられた。
「慧可断臂図」あのぶっとい線の達磨像にばかり目が行っていたが、実は決意を
示す為に自分で切り取った左腕を差し出している画だったのだ。
そして、「秋冬山水図」(冬)、意外と小さいけど鋭い画。
「金山寺」、この絵をみて金山寺に行きたくなった。
それで雪舟の解説本を幾つか買ってしまった。
その一つが、「雪舟の「山水長巻」風景絵巻の世界で遊ぼう」だ。
これを見て、雪舟に凄さに更に魅せられた。
実は画の先生が、こんなにしてはいけないというような事ばかりやっている。
つまり常道を平気ではずしている。
そして大胆。
画の中に入っていける物語がある。
やはり中国古来から伝わる山水画の技法は生半可ではない。
遠近感や光と影の技法を研ぎ澄ます西洋画もいいが、唯の遠近ではなくて
一種の幽境の世界を創ってしまい、世界観や心の遊びを封じ込めてしまうかの
ような画の世界もすばらしいものだと思ってしまった次第だ。
技法を習うだけでなくて、そういう事を身につけて行きたいものだと思う
毎週木曜は、映画や音楽、書画に関する話です。