最近読んだ本、「サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する」、「嗤う北斎」

  • 2021年2月10日
  • 2人

梯久美子、「サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する」。

まだ行ったことがない、なかなか行けそうもない樺太の旅の本があった。
行きたい順番で行くとそれほど上位ではないけどそれでも旅の話は興味がある。
早速読んでみよう。
第1部は寝台急行に乗って北へ行く。
ユジノサハリンスク、昔の樺太時代に首都、豊原からノグリキへ、樺太の真ん中にある
旧国境を超える旅だ。
海外の鉄旅ってええなあ、特に寝台列車が良い。
車内販売が来たらもっといい。なんか買って食って、お酒が飲めて、ゆっくり
寝転んで、旅ができたら素晴らしい。
この旅は林芙美子の「樺太への旅」を追っかけするものであったようだ。
林芙美子には、確かシベリア鉄道の旅行記があったはず。確か読んだはず。
「浮雲」もベトナムが舞台の旅が芯になった小説だ。とても旅の話が上手いなあって
思う。
昭和の歴史の地層の上を走る。林芙美子の樺太。
ツンドラ饅頭とロシアパンの想い出に出会えるか?
国境を越えた恋人たち。
北緯50度線の向こう。
廃線探索と鉱山王。
二ブラの口琴に揺られ・
第2部は宮沢賢治の樺太旅を追う。
ヒロヒト岬から廃工場へ。
賢治が乗った泊栄線
青森挽歌の謎。
移動する文学。
大日本帝国最果ての駅へ。
オホーツクの浜辺で。
チェーホフのサハリン、賢治の樺太。
白鳥湖の謎、光の中を走る汽車。
すきとおったサガレンの夏。
とても面白い。

望月諒子、「哄う北斎」

1997年、イタリアのリッチ・オッディ近代美術館から盗まれた。
行方は全くわからない。闇の世界に流れたのか。
そして月日が経った。
その絵が忽然として現れた。
銀座の吉崎画廊が発表したのだ。
果たして本物なのか?どうやって手に入れたのか?
正式な鑑定書もあるという。
ならば元々あの絵を盗んだ人間が持っているのは本物なのか?
偽物なのか?
果たして本物って実在したのか?
そして、本物が偽物として買われ、偽物が本物として売られる骨董商の
闇の世界。
一体だれが誰を騙しているのか?
どうしても北斎を手に入れないといけない。
本物がなければ偽物でも?
朱鷺の会とは?
日本画のコレクションを巡って暗躍するギャング?
コレクター?
画商?
とても軽くてチャラいけど、展開が早くてとても面白い。

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ありがとうございました。