夏は九度山の柿の葉寿司が美味い。
夏になると柿の葉が青々と繁ってくるのが柿の名所である九度山ではどこでも見られる。
柿の実はまだこれからやけど葉っぱを見ると柿の葉寿司が食いたくなる。
和歌山北部や奈良の名物であって夏から秋の風物詩でもある。酢飯の上に鯖や鮭の切り身を
載せて柿の葉で包み押し寿司にして食べる。元々は鮭をつかっていたらしく、ご飯も酢飯
ではなくて塩でというのが本来の方法らしく、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」の終わりの方に
出てくる。この夏はこればかり食べて暮らしたなどと書いて相当気に入られてようだ。
柿の葉寿司は押してすぐか2、3日以内に食うのが普通やけど、和歌山では、南の方かな?、
なれずしというのもあって、こっちはアセの葉というもっと細長いペロンとした葉にくるんで
何日も何ヶ月も発酵保存したやつだ。鮒鮨みたいに独特の発酵臭がして好きな人にはたまらん
らしいけど、子供のころよく食わされた時には嫌で嫌でしょうがなかった。早なれというのも
あってこっちのほうは発酵がすくなく臭みも少ないんで今でも好きで機会があればよく食う。
なんにしてもこういう葉っぱに包んだ保存食は美味しくもあるし体の為にも良いと思う。
消化力が弱った胃ににも優しいし、コロナの時代にも安心できる食いもんであるかもしれない。
前置きはともかく、季節がきたんで柿の葉寿司が食いたくなった。
九度山で買うのは簡単だ。ご近所にある「九和楽」さんへ行けばいい。
しかし、すぐ売り切れることもあるんで予約しておいた方がいい。
鯖だけでなくて鮭や椎茸などいろんなやつがあるけど、
わしは鯖の9個入り1170円がおすすめだ。
やのに柿の葉のおかげで余分な脂気が抜けてしっとりではあるけどさっぱりして
とても美味しい。
夏場で食欲が落ちていても谷崎さんではないけどいくらでも食べられそうだ。
こういうのはお店の味でもあるけど、家庭の味でもある。
田舎の家では柿の葉が簡単に手に入るんで大事にとっておいて柿の葉寿司を作る
家も多い。
それぞれの家庭の具、家庭の味があって楽しい。
しかし、最近は家庭で作る習慣もだんだんと廃れてきたようでそれが残念である。
ご馳走さんでした。
店名 「九和楽」
ジャンル 寿司
住所 和歌山県伊都郡九度山町九度山1353
電話 0736-54-2600
営業時間 8:00-売り切れ次第終了
定休日 月曜日(不定休)
メニュー 日本語
言語 日本語
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ありがとうございました。