最近読んだ本、「逆ソクラテス」、「胸中の山水」。

  • 2020年7月9日
  • 18人

伊坂幸太郎、「逆ソクラテス」。

ごく普通の暮らしの中で、あるあるとすぐ言ってしまいそうなネタが何故か心惹かれる
物語になって、ごく普通の人たちのごく普通の会話が平凡なようでいつのまにか小説世界を
つくっていて、横目で見てるつもりがどっぷりと惹きつけられてつぎどうなんの?ってな
具合にワクワクと目で追っているというような不思議な物語なのだ。
それが尋常ならざる物語に展開していくわけでもなく、奇想天外なる事件が起こる
わけでもなく、ごく普通に終わって、なんとなく爽やかな後味が残る。
これこそ筆の力と言わずして何をか言わんやではなかろうか。
逆ソクラテス
教師の変な思い込みがいじめを呼ぶ?
あいつはあかんやつだ、勉強もスポーツもなんもできへんやつだ、その思い込みが態度に出る。
すると生徒も真似をする。いじめてもいいやつだと思うようになる。
僕は、そうは思いません。
それをぐらつかせよう。
さてその方法は?
スロウではない
運動会でリレー選手に選ばれたのは、bチームではあるが意外なメンバー?
落ちこぼれ組?
それでも勝ちたい?
その方法は?
そして意外な事実が。
非オプティマス
筆箱をおとしてじゃまをする悪道は実は?
先生は実は?
馬鹿にしてる、あるいはいじめてる相手が実は?
アンスポーツマンライク
ミニバス仲間たちの再会。
ラスト1分3点差の最後の試合がわすれられない。
部活をやめたもの、医者になったもの、ユーチューバーになったもの・・
そして事件が?
昔の事件と関係が?
逆ワシントン
親が子供をいじめてる?
DVか?
クレーンゲームでとったもの?
ドローンで何をする?
とても面白い。

細川護煕、「胸中の山水」

元総理大臣、あの細川家の後継者、絵や陶芸もやりはるって聞いてたけど、山水って
いうからには水墨画もやりはるんかと興味を持って読んでみた。
なんせ、永青文庫の持ち主なんやから国宝級のお宝は見慣れてるやろから何をやっても
目が肥えてるはず。どんなすごいことをしてはるんやろ?
どうやら、中国流山水画を油絵で描かれるらしい。
こんなテーマが出てくる。
東林の總長老に贈る 蘇軾
溪聲便是廣長舌  溪聲は便ち是れ長広舌
山色豈非清淨身  山色は豈に清淨身に非ずや
夜來八萬四千偈  夜來八萬四千偈
他日如何舉似人  他日何なんぞ人に舉似せん
あるいはこんなやつ、
胡隠君を尋ぬ 高啓
渡水復渡水 水を渡り復た水を渡る
看花還看花 花を看 還た花を看る
春風江上路 春風江上の路
不覚到君家 覚えず君の家に到る
中国の山水画によく出てくる画題だ。
わしも何度か使ったことがある。
しかし、これを油絵にしてしまうと、その世界に通じてないわしにはようわからん。
わしのように水墨画をちょっとかじっただけの爺さんにはちょっと難しいのかもしれん。
もっと修行をつんだら、絵や陶芸を含めて、貴人の高雅な世界が理解できるようになるので
あろうか?

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