最近読んだ本、「カササギ殺人事件」、「魔王」。

  • 2019年11月25日
  • 2人

アンソニー・ホロヴィッツ、「カササギ殺人事件上、下」。

これは珍しい、劇中劇というか、2重構造になった推理小説、しかも本格
アガサ・クリスティ風のとてもよくできた話だ。とても面白い。
まず物語は、アラン・コンウェイ作、「名探偵アティカス・ピュントシリーズ カササギ殺人事件」
として始まる。最初2重構造ってわからんかったんでちょっと戸惑いながら一気に物語の中に
惹き込まれる。
名探偵、アティカス・ピュントは悩ましい。実は我が身に脳腫瘍が発覚したのだ。
もう余命幾許ないとの宣告を受けている。そのことを受入れ、後のことを思いやりつつ
静かに暮らす日々だ。心残りは我が探偵生活の集大成となる本を仕上げることができるか
どうかなのだ。
そんなあるひ、1人の若い女が訪ねてきた。
婚約者を助けてほしいというのだ。田舎の村で起こった事件の犯人にされかかってると
言う。お金はないけどなんとかしてほしい。
そんな仕事にでかけられるはずがないと秘書は思う。
しかし、ピュントはその裏に何かしらのややこしい(興味深い)事件の匂いを嗅ぎつける。
残る気力を振り絞ってでかける価値があるのではないか?
地方貴族の領地、パイ屋敷。
その一角で家政婦が死んだ。階段から落ちたただの事故?
もしかしたら殺人事件?
調べるうちにパイ屋敷の闇が浮かび上がってきた。村人との確執もあったのか?
殺人は一つだけ?
ピュントに時間はあるのか?
そして、2重構造の外側の話、「名探偵アティカス・ピュントシリーズ」はどうして
世にでたのか? 何故爆発的大ヒットになったのか?
そして入れ子の内側の物語の秘密とは何なのか?
その謎を解くのはだれだ?
こちらにも事故か殺人かの謎が?
謎が謎を読んで、次々にわかる不思議な事実。
さて、内側の物語も外側の物語も謎は解けるのか?
とても面白い。

伊坂幸太郎、「魔王」。

この作者で、よく超能力の話がでてくるように思う。瞬間移動とか入れ替わりとかも
あったような?
これは腹話術的なやつなんかな。念じて発声したらその言葉が相手の口からでてくる。
なんてことがあったらどうなるのか。
「魔王」と「「呼吸」の2部仕立て。
安藤はごく普通の若者。普通に暮らしている。しかし、ある日ある時、自分の
不思議な能力に気がついた。止むに止まれぬ事態に出会った時ふともらした
叫び声が相手の口から出ているのだ。
そんな馬鹿な?
そして、段々と世の中が騒然としてきたみたいだ。犬飼某という政治家が現れた。
かれの言動が人びとの心を捉えている。まるで、ファシストの亡霊が現れたかの
ようなのか? もしかしたら危険な方向に向かっているのか?
それとも誰もが幸せになれるのか?
安藤はどうしたか? 彼の能力をどうつかったか?
そして「呼吸」でその後が語られる。
ネットやSNSがこれほど広がってしまうと、もしかしたら何かの弾みでとんでもないことが
起きてしまうかも知れんという兆しは今やいくらでも見られるのではないやろか?
こういう本にはある種の違和感を感じながらも、SNS時代にとても心配も感じる。
爺さんには不安な時代でもある。

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ありがとうございました。