九度山暮らしのある日、ある日、突然、ガン患者になってしまった話−10、もうすぐ退院かな?

もうすぐ退院かな?

病棟の起床時間は6:00。ほぼ夜が明けて明るくなった頃だ。わしなんかももっと早く
目が醒めて、と言うかあんまり寝られへんで、その時を待ってるくらいだ。
朝になると、朝飯を始め、各種検診なんかが始まるんで忙しくなって気が紛れる。
なんで寝られへんかと言うと、消灯が22時なんやけど、そっからが寝付きがよくない。
3本足で点滴がつながってるときは水分が勝手に補給されるんでといればっかり行ってた。
それがなくなってやっと2足歩行になって、といれは減ったけど夜間灯が目に入って
眩しいのだ。よう見たら皆さんいろいろ工夫してはって、ベッドのカーテンが網目に
なったとこ、そこから夜間灯の光が入ってくるんやけど、そのあたりに大きめの
タオルや布を何かで停めて光を遮るようにしてはる。わしのとこも前に居た人がそんな
工夫をしてあったというのにしばらくしてから気がついた。それがうまく機能するように
位置を調節したらやっと寝やすくなった。
それでも、昼間暇やからついウトウトするんで夜になったら寝られへんという現象が
起きるのはやむを得ない。
消灯時間が過ぎたら院内を歩き回るわけにもいかんし、あんまり室内灯やテレビを
点けてるのも、まわりがしんとしてるだけに気を使うんでベッドでじっとしてる。
悶々として朝を迎えても、あさのザワメキが始まるとうれしい。元気になる。
歯磨きして顔を洗ってしばらくした朝飯がやってくる。

今までやったら一瞬でなくなるようなやつやけど、気をつけながら時計をみながら
ゆっくり食う。食い終わったら、看護師さんがとりにきてくれるけど、自分で持って行っても
よい。散歩がてら自分で持っていく。
ついでに給湯器でお茶を入れる。
ついでに体重を計る。術後5kg減った状態から変わらない。
ベッドに戻った頃、看護師さんがくる。体温と血圧、血中酸素量を測ってはる。これと言った
変化はない。「痛くはないですか?」、「全然、ときどきちょっとチクチクするくらい」
お腹の傷跡を確認。便通は? まあまあ。あんまり食ってへんもんなあ。
それが終わると暇になる。
本をよんだり、ネットを見たり、テレビをみたり。
時々、院内一周400メートルのコースをウォーキングする。
毎日やけど、いろんな人間模様をチラ見しながら歩いてる。
この日は、ちょっと重かった。ベッドごと人が運び出されてる、全身、包帯みたいなのんで
グルグル巻されてる。周りの皆さんはうなだれてる。やっぱり病院やからこういうことも
あるんやなあと思う。
静かに見送らせていただく。
しばらくおいて、2回くらい回ったころ昼になる。

昼飯は、粥がご飯になってる。
いよいよ退院が近いんかも知れんと嬉しくなる。
食後は昼寝と言いたいけど、1時間くらいは横にならんほうが良いらしい。1/3に
なった胃袋が必死で消化活動してるから応援せんとあかんのだ。
本を読んだり、ネットを見たりして過ごす。
そしてやっと昼寝。
歳をとると病院でも家でも昼寝の時間がありがたい。眠るわけではないけど横になって
ぼんやりしてる。
それが終わると又、400メートルコースをウォーキング。慌ただしく手術前の準備を
しながら入院してくる人がいてる。スーツケース下げて手慣れた感じ。
昔のご近所の人と病院で偶然再開して旧交を温めてはる人たちもいてる。
わしは、1階の診療棟までおりて、レントゲン検査を受ける。
1人で行けるようになったら1人で行くのだ。いつまでも看護師さんが面倒をみてくれる
わけではない。
そうそう、お風呂は30分刻みで予約枠があるんで専用掲示板に自分の名前を書き込んで置く。
シャワーも湯船もあるけどわしはまだシャワーだけ。
そうこうするうちに晩飯の時間になる。

食事が楽しみと言うほどではないけど、時間の変化がありがたい。
あいかわらず時計をみながらゆっくり。
いつになったら普通に食えるんやろ。
消灯まではまだ時間がたっぷりある。
また周回コース。

なかなか時間が経たへん。
それで一日が終わる。

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ありがとうございました。