武田邦彦、「偽善エコロジー」
「エコ生活とか粋がって、マイ箸とかやってませんか?」
「はい、やってます」
「本の包装とか、買い物袋を断って、エコバックとか使って嬉しがってませんか?」
「エコバックじゃないけどやってます」
この本を読むとガツンとやられてしまった。
材木って、適度に植えて、育てて切り出して使うという循環をまわさないといけない。
当然だ。それで切り出された木材の半分は端材として捨てられる。
日本の割り箸は、この捨てられる部分を旨く利用して生産されていた。
それが、環境運動で国内生産ができなくなり、結果として外国から輸入される。
外国では端材を使わず、本材を消費する。それで森林が痩せる。
日本では、捨てられる端材は使い道がなくなったのでエネルギーを使って燃やされる。
「マイ箸」って何やってんだろう?
ビニールの買い物袋って、石油の一番いらないところを旨くつかって作られているから
あれを貰って帰ってゴミ袋として活用するのが一番資源の効率的な使い方だって。
エコバックを作るのは新たな石油資源を使わないといけないから、結局エネルギーの
無駄遣いだって。
マスコミのただの掛け声や世の中のムードに踊らされて、実際の仕組みやデータを知らないと
惨めな行動をすることになってしまう。恥ずかしい話だ。
「食べ物の自給率を上げよう。ご当地のものを食べて暮らそう」
大賛成だ。
いろいろ勉強になる本だった。
内田百閒、「百鬼園随筆」
旅の名人、百閒先生。
相変わらず楽しい本だ。
難儀な頑固さと、いつまでも少年のような純粋さが同居した百閒先生。
天然ボケのようでいてあざやかな切れ味もある。
しかし、こんな借金生活。本当?大丈夫?
はらはらするよ。
毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。