Zの喜劇 ジャン・マルセル・エール
フェリックス・ザックという男がいる。
どうしょうもないZ級映画の超オタクだ。毎日、毎日わけのわからん、誰も
知らない見たことも無いようなZ級の映画を楽しんでいて、それを詳しく読
んでメッセージまで送ってくるような人たちに対してブログに書いて楽しん
でいるようだ。
当然のように社会適応障害ではないかと妻にも見放されかけている。あるい
は幼児の娘にも。
彼は本当は映画脚本家になりたいのだ。それでせっせと脚本を書くがどこに
も売れることはない。ところがある日、彼の脚本を映画化したいという電話
が・・・・・。
彼の脚本はある老人ホームの物語り。
そこには元映画スターばっかり、それも端役、脇役しかやったことがない
マイナーな役者たちだ。みな超高齢だ。
しかし、みなさんとても元気だ。まだまだ施設内を走り回って、いたずらする
わ、誘惑するわ、弱いモノいじめするわ、なんでもやり放題だ。
そして、ある日、突然一人行方不明になる。
そして又一人・・・。
なんで?
映画化の依頼者は食肉業者、出来の悪い息子が映画監督をやりたがってるから
だった。
ある日彼の元へ刑事がやってくる。連れて行かれたのはある老人ホーム。
そこは脚本の舞台と全く同じではないか。
そして、そこでも一人ずつ行方不明になる。
お話か?現実か?、現実か?、フィクションか?
何が何やらわからんようになってきた。そして話はさらにこんがらがって、
つぎつぎと事件がおこる。
そして意外な方向に。
この本、とんでもなく面白い。そしてエスプリ満載。
すばらしい。
「パールストリートのクレージー女たち」、トレヴェニアン
もう何時間もそこにいる。
僕と妹と母は彼らの歓迎パーティの準備をして待ってるはずの父親が現れるの
を待っているのだ。
しかし、もう現れるはずがないとも彼らには分かってきた。
又か?
いつも裏切られる。どうしようもない父親だ。
彼にはもお金もない。父親が用意したという部屋に転がり込むしかない。
ここはパールストリート、誰もが貧しくてクレージーな街だった。
そして僕の貧乏暮らしが始まる。
よそ者の僕たちは苛められる。僕は戦わなくてはならない。妹も助けなければ
ならない。やがてクレージーな街のクレージーな暮らしにも慣れてくるがいつ
か仕合わせはやってくるのだろうか。
大恐慌の時代だ。誰もが貧しい。
太平洋戦争の前の時代だ。誰もが苦しい。
母は「いつか船がやってきて私たちを仕合わせにしてくれる」と言う。
本当だろうか?
母の船は僕なのだろうか?
僕は学校に行けるのか?
妹は女優になれるのか?
クールでドライで、淡々としていてちょっと哀しい。
あるはかなり哀しい。
貧しい3人のあるいはパールストリートのクレージーな女達の生き様に心打たれる。
じんとくるなあ。
心熱くなる物語りだった。
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ありがとうございました。