最近読んだ本、「あなたが消えた夜に」、「百代の過客(続)」。

  • 2019年9月14日
  • 2人

中村文則、「あなたが消えた夜に」。

この人の本って、結構気に入ってよく読んでる気がする。特に追っかけというほどでは
無いんやけど、店頭で良さげやなあって思ったらこの人の作品やったというケースが多い。
因みにこの作家ってミステリー作家なんやろか? 社会派作家なんやろか?
そんなことどうでもええんやろね。今回は純粋にミステリーとして読ませていただいた。
いつも思うんやけどこの人のセックスシーンの描写って、こんなんばっかり気にしてるわけやないんやけど、
とても切なくて重い。どうしょうもない闇とか不条理を抱えた男と女の絡み合いが
息苦しくなるほどの事が多いような気がする。今回はどうなることやら。
本の帯はこんな感じ、
「ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の
女刑事・小橋は「コートの男」を追う。
しかし、事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。
「コートの男」とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。
翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。」

男が殺された。竹林結城。
捜査本部ができ、中島と小橋は捜査を始める。所轄と本庁のせめぎ合いの中、
小橋にもある思いがある。
疑惑の「コートの男」とは誰なのか? 本当に犯人なのか? 明らかなはずなのにどこか
おかしい。
そして第2の殺人が。横川佐和子。
そして第3の殺人。真田浩二。
どうも連続殺人事件に間違いなさそうだ。やっぱりキーは「コートの男」。
しかし、関連がわからない。動機もわからない。
詳しく調べてるうちに何かが浮かんできた。やはり心の闇が誰かを突き動かしているのか?
調査は中々進展しない。
もしかしたらまだ終わってないのか?
もっと事件が起こるのか?
段々と意外な事実に思い当たってくる。本庁に妨害されずに核心に迫れるのか?
時々、事件を整理したページが現れる。読者への挑戦か? サービスか?
これはありがたい。これで読みやすくなった。
そして、とうとう予想すらできなかった事どもがつながるのか?
理不尽なのか? 不条理なのか?
やつはいったい?
とても面白い。

ドナルド・キーン、「百代の過客(続)」 日記に見る日本人。

日本人以上に日本人らしい人かもしれない。すばらしい洞察力、素晴らしい感性。
驚くべき蓄積と読書量。すごいなあって思う。
英語で書かれた本らしいけど、文章もとても美しい。
(続)は明治維新の頃から明治にかけての近代日本の黎明期の頃の人たちの日記が
取り上げられてる。ただ単に日記の文章を解説するというよりは、文間から湧き上がってくる
彼らの声、あるいは文間に秘められた彼らの叫びを時代の流れとともに拾いだして、
我らの理解できる世界に紡ぎ出してくれるようなやりかたで、読み解いていく。
歴史上の有名人物の場合は漠然と知ってることの裏付けや新たな見方を知らしめてくれるし、
無名の人の話には、なるほどそうかと大いなる共感を持って読むことができる。
分厚い本やのに一気に読んでしまった。
(続)のついてないやつも是非読んでみたい。

遣米使日記
村垣淡路守
ボウハッタンー咸臨丸日米修好通商条約批准
ホノルル修理サンフランシスコーパナマーワシントン
奉使米利堅紀行
木村摂津守
サンフランシスコ
西航記
福沢諭吉
二度めの使節団ヨーロッパ
尾蝿欧行漫録
市川渡(清流)
使節団副使 松平石見守の従者
欧行日記
渕辺徳蔵
仏英行
柴田剛中
第四回使節団
製鉄所の建設準備
航西日記
渋沢栄一
6つ目(最後)の使節団 パリ万博 徳川昭武
米欧回覧実記
久米邦武
大使 岩倉具視
航西日乗
成島柳北
上海→香港→シンガポール→セイロン
桟雲峡雨日記
竹添進一郎
中国、四川省の旅
松浦武四郎北方日記
蝦夷千島アイヌ
南島探験
笹森儀助 琉球沖縄
航西日記
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独逸日記
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漱石日記
新島襄日記
函館紀行ー密航ーアメリカ船ー上海ー東南アジアー喜望峰ーアメリカボストン
木戸孝允日記
特命全権大使ー使節団(アメリカへ) 副使木戸孝允
植木枝盛
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和歌山ー川合小梅 野呂介石の孫弟子
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短編 半日ー母峰子ー妻茂子 確執
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開拓使派遣 女子留学生5人
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看護婦 写真花嫁ーアメリカ 収容所
欺かざるの記
国木田独歩 北海道 佐々木信子 別れ
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仰臥漫録 墨汁一滴
啄木日記
観想録
有島武郎
親友 森本
幸徳秋水日記
蘆花日記
夫人への愛 使用人へのセクハラ
木下杢太郎日記
ドイツ語
西遊日誌抄
永井荷風 アメリカ物語
ワシントンーニューヨーク 恋人イディス
新帰朝者日記
永井荷風
作り事
とても面白い。

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