ユーディト・W・タシュラー、「国語教師」
それは一通のメールから始まった。
作家のクサヴァーははインスブルック市にある聖ウルスラ女子ギムナジウムからの
あるワークショップに参加する旨応募した。ところが担当者となかなか連絡が
とれない。
休暇でどっかに行ってる? やっと連絡がとれた。
なんとクサヴァーの昔の恋人、国語教師のマティルダだったのだ。
それから二人のメールのやり取りが始まる。
なんとなくほのぼのとした元恋人通しのやり取り? 懐かしい昔ばなしに花が咲く?
いやいやなんとなくキナ臭い。だんだんとおかしな空気が漂い始める。
この二人かなりの訳ありなのか?
ある日、クサヴァーが消えた? 何故? マティルダはそれから?
想い出の言葉をたよりに二人の過去が立ち上がっていく。ロマンティックでも
なんでもない、辛く悲しい、暗くおぞましい物語だ。
何故彼が作家になれたのか? 居なくなった子供とは?
フィクションか現実か? 謎が謎を呼び、事態は一層複雑に。
クサヴァーの祖父の一代記とは?
祖父リヒャルトとアンナの物語。ミルウォーキーで成功した靴の会社とは?
マティルダは若い男を監禁?
嘘か真か?
真実は?
とても面白い。
今回は本の写真をとるのを忘れたんでちょっと抽象画風に?
沢木耕太郎、「作家との遭遇」
この人の本を見つけたらつい読んでしまう。
旅の話やいろんなノンフィクションもいいけど「人」の話もとても良い。
例えば、藤圭子の話、壇ヨソ子の話、ロバート・キャパの話、その他いろいろ。
その人の人生が生き生きと立ち上がってくる。
こんどは作家の話だ。著作を通してその人を語る。
読んだことのある作家はなるほどと思い、読んでない作家は読んでみたいと思う。
必死の詐欺師 井上ひさし
青春の救済 山本周五郎
虚構という鏡 田辺聖子
記憶を読む職人 向田邦子
歴史からの救出者 塩野七生
一点を求めるために 山口瞳
無頼の背中 色川武大
事実の虚構の逆説 吉村昭
彼の視線 近藤紘一
運命の受容と反抗 柴田錬三郎
正しき人の 阿部昭
旅の混沌 金子光晴
絶対の肯定性 土門拳
獅子のごとく 高峰秀子
ささやかな記憶から 吉行淳之介
天才との出会いと別れ 檀一雄
虚空への投擲 小林秀雄
乱調と階調と 瀬戸内寂聴
彼らの幻術 山田風太郎
スポーツライターの夢 P・K・ロスワイラー
苦い報酬 T・カポーティ
旅するゲルダ ゲルダ・タロー
アルベール・カミュの世界
読まんとあかん本が数冊増えた。
今回は本の写真をとるのを忘れたんでちょっと抽象画風に?
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