伊坂幸太郎、「シーソーモンスター」
シーソーモンスター。
この人の作品は相変わらず面白い。出たらすぐに読みたくなる。それでも人気やから
図書館の順番待ちも結構長い。
ー争いはなくならない
ーだとしたら、僕たちはどうすればいいんだろう。
海と山の伝説。
海の一族は山の一族と出会ったら必ず争いになる。わけもなく意味もなくそうなってしまうのだ。
舞台はバブル期が始まった頃の東京。
宮子はある情報機関の一因だ。しかし、それは表には出ない。普通の勤め人の
暮らしをしてる。そして、北山直人と出会い結婚する。平凡な専業主婦だ。
それでも使命はある。冷戦時代の大国があいてのスパイ合戦なのか?身辺が
慌ただしい。そして結婚当初から義母セツとの嫁姑の確執。どうしてもウマが合わない。
それに、死んだ義父の死因は本当は? そして危険が迫る。
宮子はどうなる? 直人は? まさか義母が?
スピンモンスター
時は移り、東京オリンピックも終わって20年以上経つ近未来の東京。
水戸直正と檜山景虎はお互いに消えることのないトラウマを抱えている。
小3の時に自動車事故に遭ったのだ。2台の自動車2つの家族が絶対安全の自動運転車に
乗っていたはずなのに猛スピードでぶつかってしまった。生き延びたのは二人だけ。
直正は運び屋に、何もかもが高度にデジタル化した時代になれば、却ってアナログの手紙を
配達するのが大事な仕事になる。
そして景虎は警察組織の一員に。直正は一通の手紙を運ぶ。そして知らずに追われている。
配達相手は中尊寺敦。
何を配達するのか?
そして、中尊寺と直正は一緒に逃げるはめに。なぜか? 追うのは景虎か?
防犯カメラで姿を追い、パスカで買い物をすれば履歴がバレる。
どんどん追い詰められる。
ウェレカセリとはなにか? 万能の人工知能か?
絵本作家せつみやことは? 破壊プログラムとは?
おばあちゃんの大活躍。とても面白い。ハラハラ・ドキドキ。
次のページを読むのが楽しみだ。
直正の運命は? ヒナタさんとは? 事故の真相とは?
とても面白い。
この本は「螺旋プロジェクト」という8組9名の作家の連作の一環でできたものらしい。
他の本もよんでみよう。
エマヌエル・ベルクマン、「トリック」
一大魔術師をめぐる壮大な物語。とても面白い。読みだしたら止まらない。一気に
読んでしまう。
ライブル・ゴルデンヒルシュはプラハの裏町に暮らすしがないラビだ。妻のリフカと
ともに厳格なユダヤの規律に従った暮らしをしている。裏町の貧しい家は便所が共用、
その相手は上階の錠前屋モシュだ。ある時ライブルは戦争に駆り出され、ボロボロになって
帰ってくる。その間に妻のリフカが妊娠したのではないか? 相手は誰だ?
子供の名はモーゼス、モシュと言われ育つ。母亡き後父との確執に耐え難くモシュは家出。
潜り込んだサーカス小屋で半月男ルドルフ・フォン・クレーガー男爵とアリアナ姫の
マジックショーをみて衝撃を受け、サーカス団に拾われる。そのアリアナ姫ことユリアと
いつしか出来てしまったモシュは団を抜け出し、ベルリンへ、ペルシャの王子、大サバティーニと
名乗ってマジックショーを始め、大活躍。
不思議な予言はよく当たると評判になりナチスの知るところとなる。
これはやばい。さて大サバティーニの運命はいかに?
一方、何十年もあとの話、マックス・コーンなる少年がロサンジェルスの裏町に暮らしている。
悪ガキではあるが悩みがある。マムのデボラとダッドのハリーが離婚の危機なのだ。
ハリーの浮気が原因、デボラは許さない。一触即発の離婚訴訟が。
ある日少年は古いレコードを見つけた。聴いてみたら大サバティーニのマジックショーが
録音されている。なんだこれは? しかも何でも願いがかなうという魔法の呪文。
これだこれで離婚はなくなる。しかし、呪文は途中まで。
なんとかせんとあかん。大サバティーニを探そう。
レコードをしらべるとアメリカに居たらしい。さがそう。
もしかしたら施設に入ってる? ヨボヨボの爺さん?
さて、少年の願いはかなうのか?
大サバティーニがナチの時代の行ったトランクのトリックが起こした軌跡とは?
話がつながってくる。
とても面白い。
とてもロマンチック。
心温まる。
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