九度山暮らしのある日、「印傳」の小銭入れを修理した。

「印傳」の小銭入れを修理した。

ある日、気がついたら小銭入れが破れかけてる。もう10年以上は使ってるやつだ。
そろそろ寿命なんかなあって思う。結構水に浸かったり、泥の中に落としたり、
さんざんえらい目にあわしてきたんでしゃあないんかもしれん。
これは「印傳」っていうモノで、「印傳屋」という会社が製造販売してはる。
印傳というのは甲府に昔から伝わる鹿革の鞣しの技法のようで、煙で燻しながら漆で模様を
つけていくという伝統工芸なのだそうだ。
その風合いと独特の簡素で美しい模様が気に入って長く使っていたのだ。
ちょっと惜しい。いや、大変惜しい。
あきらめようとしつつようみたら、中の裏地が破れてるだけだ。それと側が口金から
外れそうになってる。これやったら「印傳屋」さんに持っていったら直してくれるんと
ちゃうやろか?
というのは、前にやはり印傳の品物でこれも同じくらいずっと愛用してるメガネケースの
口金が壊れてしまったことがある。この時も諦めてしまうには惜しいんで、「印傳屋」さんに
相談に行ったことがある。大阪の印傳屋さんは心斎橋にある。ちょっと北の方、心斎橋筋と
御堂筋の間にある静かなお店だ。
メガネケースを持ち込んで相談してみたら、いとも簡単に修理できますという。ありがたい。
しかも、リーズナブルな料金でやってもらえる。
ありがたい。
しばくして前以上にしっかりした金具がついて戻ってきた。

素晴らしい。
その記憶があるんで、再び行ってみた。
同じように丁寧な応対をしてくれて、これも簡単に治りますよって言ってくれた。
ありがたい。
修理代もとてもリーズナブルだ。元々の値段が多分3000円しないくらいのものやったんで
修理代が高かったら買い直したほうがええかもって思ってたけど、修理代が500円+税と
いうことでありがたく修理していただくことにした。
しばらく期間はかかったけど無事修理が完了した。

とても良い。うれしい。

実は今はもうこの製品は無いのだそうだ。お店のカタログを見てものってない。新しい
似たような製品よりはこれの方がはるかにわしはええなあって思う。
模様に品がある。
使い込んだ風合いがある。

これを使ってて、ここからお金をだして、お店のおばちゃんに、「その財布ええねえ」って
褒められたらとても嬉しい。

マイ・フェイバリット・シングス。

10年以上常時使ってるモノ(置いてるだけではなくて)って何やろって考えてみる。
印傳の小銭入れ。
印傳のメガネケース。
馬場万の財布。
 中身は薄くなるばっかりやけど、財布はええ感じに使い込みがでてきてる。
馬場万の書類かばん。
 使い込んだ風合いがええ感じになってきてる。
アクアスキュータムのトレンチコート。
 40年ほど、擦り切れてボロボロやけど気に入ってる。英国王室御用達の頃のやつ。
わしの体。
 もうボロボロ。

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ありがとうございました。