忠三郎狂言会

友人に誘われて久しぶりに狂言に行った。
最近は能の合間の狂言は見たことがあるが、狂言だけの出し物は
久しぶりだ。
今回の演目は、鎧、昆布売、柑子、仁王だ。

 茂山忠三郎御大の語りだけ。
 声はさすがにしっかりしているがかなりのご高齢になられてしまった。
昆布売
 お供がいない侍が、たまたま通りかかった昆布売りに、無理やり供に
 ならせて、自分の太刀をもたせようとしたら、逆にその達で脅されて
 昆布まで売らされる始末に。
 庶民パワー爆発のなりゆきに大爆笑だ。
 段々立場が逆転していく掛けあいが面白い。
柑子
 主が太郎冠者にあずけたはずの一枝に3個成る、めずらしい三つ成りの
 柑子(こうじ)はどうなったのかと問い詰める。
 実は主が酔っ払っているあいだにすっかり頂いてしまったのだ。
 それをぬけぬけと言い抜ける太郎冠者のしたたかさが実に面白い。
 こうみごとに言い抜けられたらさすがに怒れないだろう。
仁王
 掛け事に負けてすっからかんになってしまった二人組が、仁王に化けて
 供え物をちょろまかそうと考えた。
 折角うまくいったのに、欲をかいて、もう一回やろうとしたら、
 体をさすらまくって化け皮が剥げてしまった。
 仁王にばけた男が10数分も微動だにしないのは見事だった。さすがに
 プロだ。
 古典芸能、狂言の世界でもアドリブがありとは初めて知った。
久しぶりに大笑いして実に楽しかった。
やっぱり古典芸能はええな。

kyogen101104

毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。
今日は狂言の話でした。