金子光晴、「アジア無銭旅行」
金子光晴は大好きなので、この本も題名に惹かれて読むことにしたのだ。
ねむれ巴里、西ひがし、どくろ杯、マレー蘭印紀行などが実にすばらし
かったからだ。しかし、この本はこれらの本から抜き出して再編集した
だけのようで、特に目新しい文はなかってがっかりはしたが、
思い出し思い出しして読むのも又楽しみのひとつだ。
・・・その手を引き抜いて、指を鼻にかざすと日本人と少しも変わらない
強い糞臭がした。同糞同臭だと思うと、「お手々つなげば、世界は一つ」
という・・・
立松和平のようにこの人の足跡を追って、マレーの地を巡ってみないと
いけない気持ちがしてきた。
秋里籬島、竹原春朝斎、「摂津名所図会」
こういう本があると知って、図書館で借りてきた。
そのなの通り昔の摂津の国の名所を紹介した本だ。
こういう本にのっている画が面白い。
当時の風景だけでなくそこに暮らす庶民の暮らしが生き生きと描かれて
いるからだ。
ここでも、天下茶屋や住吉神社、箕面の滝など今でもよくわかる名所が
沢山あって、今と昔の違いを想像すると面白い。
こういう画で、歩く人、立ち話する人、すわってご飯を食べている人
いろんな人の描き方などもやっぱり参考になる。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。