最近読んだ本、「いつか来る季節 名古屋タクシー物語」、「錆と人間」

  • 2018年7月30日
  • 3人

広小路尚祈、「いつか来る季節 名古屋タクシー物語」
ある街を語るのにタクシードライバーに語らせるというのはええ考えかもしれん。
朝も昼も夜も、どんな時のどんな街も知り尽くしてる。表通りも裏通りも。
それに、いろんな人のいろんな物語、とおりすがりの爺さん婆さん、老若男女、
行きずりの兄さん姉さん、サヨナラだけが人生だ。それでも山程面白い物語があるはずで、
喋りだしたらとまらんほどの人情の機微がてんこ盛りかもしれん。
どこで何を食ったら美味しい、それは何故か、てなことも知り尽くしてるはずやし、
現に、現地で美味いもん食いたかったらタクシーに乗れってよく言うではないか。
どこで何を買ったらいいのか、お得なのか? 珍しいのか? そんなことも知り尽くしてる
はず。
誰か有名人に出会った話。
深夜に絶世の美人が乗ってきて急に消えた。後でシートが濡れていた、なんて?
後ろでアベックがイチャイチャ・・、そこまでやるか、なんて?
てなことで、読む前から妄想が頭の中いっぱいにふくらむけど、まあ、それほどでも
なかったですなあ。
名古屋の街の様子が生き生きと立ち上がってきて楽しい本ではある。

ジョナサン・ウォルドマン、「錆と人間 ビール缶から戦艦まで」
科学系の啓蒙書、あるいは解説本みたいな感覚で、けどけったいな表題が気になって
読み始めたら、意外やとても面白い。興味深い内容だった。グングン惹き込まれて
読んでしまった。

手のかかる貴婦人
自由の女神って錆びるんや!
自由の女神に登った男2人
大修復計画
腐った鉄
橋の話
酸素
電流
錆びない鉄
ステンレスの発明の話
缶詰の科学
内部コーティング
何と恐ろしい。こんなこととは知らなんだ。
インディアナ・ジェーンー錆の美
錆のフォトグラファーの話
国防総省の錆大使
亜鉛めっきの街
錆と戦う男たち
錆探知ロボット
トランス・アラスカ・パイプライン・システム(TAPS)
アラスカ州ブルドーベイからプリンス・ウィリアム湾1300km
錆探知ロボット スマート・ピグ長さ5m重さ4.5t
暮らしの中の防錆用品
防食工学の未来
素晴らしい。

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ありがとうございました。