最近読んだ本、「騎士団長殺し1、2」、「日本史の内幕」

  • 2018年1月19日
  • 2人

村上春樹、「騎士団長殺し」
第1部顕れるイデア編、第2部還ろうメタファー編
村上春樹の小説は実は意外と沢山読んでいる。有名すぎて、手に取るのが恥ずかしい
というのはあるけど、想念の内にある世界と現実の世界が複雑に交錯して独特の
村上ワールドが繰り広げられる様相は時にはとても魅力的で読んでいてわくわくする
ものなんで天邪鬼心が避けようと思っていても気がついたら読んでいることが多いのだ。
で、この本もその一つとなってしまった。
「私」は肖像画家である。画家として著名というわけではないけど、肖像画の評判は良く、
依頼者に困らないが事情があって妻とも別れ、今は絵を描いていない。
そして郊外の山の上にある著名な日本画家のアトリエだった家をその人の息子である
友人から借りて暮らしている。
とても良い環境にあるアトリエだが、なんとなく不思議な出来事が起き始めた。
ある日、天井裏でこの家の持ち主だった雨田具彦が残した作品と思われる日本画を発見。
遙か昔の日本が舞台のはずなのに不思議なリアリティーと迫力がある。
その頃、不思議な肖像画の依頼が。免色というやり手の実業家のようでいて、実態が
わからないそれでいて不思議な魅力のある男だ。
「私」の絵をいたく気に入ってのことだという。そして、絵を描く作業が始まる。
絵が出来ていく過程はとても興味深い。抽象画ができていくのはこういう事なんかと
思わせる実感がある。
そしてある日、あの絵のなかの騎士団長が突然現れて不思議な予言をする。
又ある日の夜、アトリエで不思議な鈴の音が聞こえた。音をたどると裏の畑の中に
不思議な穴がある。
そして、とうとう事件は起こった。
「私」のモデルになった少女とは何者?
騎士団長の描かれた絵とは何を現しているのか?
免色とは一体何者か?
雨田具彦が戦時下のドイツで出会った人とは?
想念が時空を巡る。
夢か現か、少女に危機が?
怨念が時空を巡るのか?
様々な出来事がもつれてはほぐれていく。
とても面白い。
ただ、昔に比べたら随分スケールダウンしたんとちゃうやろか?
〇〇賞騒ぎで疲れてはんのとちゃうやろか?

磯田道史、「日本史の内幕」
この作家の書いた、「無私の日本人」という本を読んですっかりファンになって
しまって、やっぱり日本人ってええなあと思ったし、この作家の本を幾つも読む
ことにもなってしまった。
この人のやり方は専門の古文書からのアプローチであるようだ。
古文書にはそれが書かれた時のリアルタイムの生の息吹がある。それを読み解ければ
今迄、既成事実、世の中の常識、分かりきった話と理解してきてたモノゴトが急に
別の見え方がするときがある。それらの繋がりを辿っている内に全く新しい事実に
気がつくことが出来るときがある。
そういうことらしい。
この作者に限らず、古文書を読める人達は実に沢山の小さな生の暮らしから出て来る
知識を一杯もっていてそれが歴史の理解の背景になっているらしくてとても羨ましく
思う。
それにこの人の持論である近代日本の基礎は徳川時代にできたという話のあれこれ
もこのなかに顔をだす。
なるほど、なるほどと目から鱗の発見が多い。
とても楽しい本だ。

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