わしは元々は和歌山出身やから、和歌山名物の食いもんってなんやろって考え
てみる事ができる。
和歌山ラーメン？ 早寿司？ めはり寿司？ しらす丼？ 南部の梅？
金山寺味噌？ 柿の葉寿司？ まだまだ色々ありそうやけど特にこれって言う
ようなビシッとしたのは思いつかへん。
まあそんなもんや。
最近、ちょっといろいろあって我が家に来客にきていただくことが続いた。
そのうちの1人が珍しい寿司折りをお土産に持ってきてくれた。鮎寿司という
ことだった。頂いてみるととても美味しい。鮎を焼いてその後甘露煮にしたら
しい。甘辛くて柔らかい。ふんわりとして口の中でとろけそうだ。その時は、
酔っ払ってたんでただ「美味しいね」やったんやけど、あとで、「どこで売っ
てんやろ？」って気になったんで調べてみたら妙寺にある京都の料亭みたいな
名前「一力」ってお店というのがわかった。大正時代から４代つづくこの辺で
は知らん人がいないという有名なお店らしい。そんなええもんやったんか？
知らんかった。
それで、つぎにお客さんが来はるときに、わしも注文してみることにした。
お店はなかなかええ感じ。大正の香りも残っていそうだ。
テイクアウト専門かと思ったけど中でも食べられるはずやと言う人もいる。
どっちかは今のとこわからへん。鮎寿司だけやなくて、ジャコ寿司や、巻き寿司
もあるようで、それらのミックスセットもあるようやけど、今回は鮎寿司だけ
でお願いした。
で、当日、頂に行く。ぐちゃぐちゃにならんよう車でそっと運ぶ。
お客さんが来た。
最初からこれをだしてしまうと我が家の料理がしょぼくれてしまうんで隠し
ておく。
程よく食べて頂いたあと、これが登場。
やっぱりとてもおいしい。料理の後でも十分頂ける。甘辛の煮詰め具合がしっとり
してるんでパサパサ感がない。多分柿の葉寿司よりおいしいんとちゃうやろか。
お客さんにも好評だ。
他で検索してもあまり出てこないんでやってはるお店は少ないんではなかろうか？
こういうものが廃れずに名物としていつまでも残って欲しいものだ。
値段も高いものではないし、夏の風物詩としてはかっこうのもてなしになるの
ではなかろうか？
わしの中では和歌山名物が１つ増えた。
ご馳走さんでした。
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ありがとうございました。