映画、「ダイビング・ベル」を見た

「真実は沈没しない」を訴えるドキュメンタリー映画だ。
なんと恐ろしい。こういう事が真実なのであれば、世の中はまだまだ暗闇だら
けではないのか。
セウォル号の事件があってからもう2年以上経つ。最初はいろんな報道がされ
て、そのうち全容が明らかになっていくもんやと思てたらいつの間にかうやむ
やに消えてしまったような気がする。それは隣国までは伝わらなかっただけな
のか、本当にうやむやになってしまったのか? ようわからけどどうなったん
やろという気持ちは残っていた。責任の所在はともかく、いったい何が起きて
ああなった? 何故あれほどの犠牲者が出た? 何故救助活動がもたもたして
るような報道のわりには尻すぼみに消えていったのか?
この映画はその隠された一面をえぐり取っているようだ。
「ダイビング・ベル」と呼ばれる潜水活動の方法があるらしい。つまり釣り鐘型
の装置を海に沈め、釣り鐘の上部に空気を送り込んでおけるようにしておくと、
ダイバーが海中で作業中にそこに入って、休憩し、直ぐに作業に戻る事が出来る。
その結果水中作業が長時間できるようになる。
こういう方法で水中作業を専門にするアルファ潜水技術のイ・ジョンイン代表
の話がセウォル号事件の救出活動の最中に報道された。
話題にはなるが、救出活動中の政府の機関、海上警察などからは応援依頼が来
ることはなかった。
しかたない。

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イ・ジョンイン氏はボランティアで私費を投じて救出活動に参加する決心をした。
独自の取材報道活動をする反骨のイ・サンホ記者がこれを追う。
かっこええ。とうとう出撃だ。
しかし、事態は進展しない。何故?
正規の救出部隊の海上警察が邪魔をしてる?
艀につないで作業をさせてもらえない。なすすべもなく戻るしか無い。
果たしてこんな事実は本当なのか? こんな事は許されていいのか?
イ・サンホ記者は遺族と政府の会合で訴える。
ベルの活用はその場で約束された。
再び出動だ。
しかし、どうしても邪魔が入る。
事態は生存期待の期間をすぎていく。
どうやらメディアも実態を伝えていないらしい。政府の活動を擁護し、ベルの
動きに否定的だ。
一体、ベルは活動できるのか?
その能力を発揮できるのか。
メディアはどんどん否定的になっていく。
挙げ句の果てはベルの投入は間違いだった。何もできなかった。捜索の邪魔を
しただけだった。遺族に謝罪しろ。
どんどんエスカレートしていく。

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これはドキュメンタリー映画であって、このまま総てをまるまる受け止めるよ
うなものなのかは分からない。しかし、あの大事件の陰にこういう事があった
という事は知られる必要があるし、誰が良い、悪い、責任の所在云々よりは、
一体何があったのか、その事実が明確になることのほうがはるかに大事だ。
無かった事にしてしまったら再発を防ぐすべがない。
もしメディアが恣意的であったのならそれは恐ろしい事だ。
イ・サンホ記者って、韓国のマイケル・ムーアみたいな人なんやろか?
日本にはいないキャラクターみたい。
もしかしてそんなんって対岸の火事だけではないかもしれん。こんな人がいな
いだけの事なんとちゃうやろか?
そういう事を考えると不安になる。
報道の裏側をしっかり見とかんとあかんのやろね。

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ありがとうございました。