原田マハ、「異邦人(いりびと)」
とても面白い本だった。この作者は元美術館のキュレーターだったというだけ
あって、美術に対する知識はすごいものだ。その人の思い入れたっぷりに筆が
走ると止まるところを知らない怒濤のような面白さが発生するようだ。
しかも今迄に無いサスペンス仕立て、わくわくだ。
金持ちのアホぼんのような役回りの篁一輝。
金持ちのワガママ娘、菜穂を嫁にさせられる。
一輝は画廊の青年専務。菜穂は有吉美術館の副館長、どちらも親がかりだ。
震災の放射能で東京が汚染されたと思って、身重の菜穂は京都で避難暮らしを
始める。
一輝の仕事には菜穂の妖艶な母親がべったり着いている。
何か妖しい事が起こりそうだ。
舞台は京都へ。
ある日菜穂がたまたま訪れた画廊、そこに心奪われる絵があった。
無名の女流画家の作品だ。
そして画家との出会い。
巨匠の娘という画家は声を無くしている。何故か幸せそうではない。
大きな謎がありそうだ。
そして、次々と意外な事実がわかっていく。
一輝にも事件が。
菜穂にも事件が。
謎の女流画家の正体は?
竹内栖鳳の再来と言われた画家は何故死んだ?
もつれもつれてどうなっていくんやろう。
わかりやすいけど面白い。
絵の世界と京都の街が目の前に浮かび上がるようだ。
一気に読んでしまった。
高野英行、「恋するソマリア」
前にこの作家の「謎の独立国家ソマリランド」という本を読んだ事がある。
これはその続編らしいんでこっちも読んで見ることにした。
これはフィクションではなくてノンフィクションらしいんやけどとても本当
とは思えないほどだ。こんな暮らししててほんまにええんやろかいけるんや
ろかと思ってしまう。
ソマリアってアフリカ大陸の東側にあるらしい。
世界一危険な場所でもあるらしい。
国家が海賊してるらしい。
内戦が日常的にあるらしい。
氏族同士の結びつきが唯一無二であってそれが秩序の源であり、内戦の原因
でもあるらしい。
よそ者にはとても難しい国だ。
そんな中に好きこのんで飛び込んで、向こうのジャーナリストの中に入り込
んで一緒に取材活動をしている。
仲間に入り込んで妖しいヤクをやるわ、死にそうになるわ。
あげくの果ては外部男子禁制の家庭の中にまで入り込んで日常生活を経験する
わ。すごい行動力だ。
ソマリアの話、アフリカの話としても面白いし、はちゃめちゃ冒険話としても
面白い。
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ありがとうございました。