さて、今からは、タイ、ミャンマー、ラオスの国境が接するゴールデントライ
アングルと言うところに行くのだ。ゴールデントライアングルと言えば言わず
と知れた、麻薬の秘密取引地帯だったとこだ。どろりと濁ったメコン河は悠々
とゆったり流れているようで意外と流れは速い。岸辺には葦がびっしりとはえ
ていて支流があることすらわからない。その細い流れの奥まったとこまで遡っ
ていって、国籍もわからん妖しいやつらがこそこそと何やらを受け渡ししてい
たのであろうか。
今は総てがあっけらかんとなってしまって、妖しさの意味が変わってしまった
ようだ。この河を挟んで国境を接する各国にカジノが作られて、夜となく昼と
なく客を運ぶ船が行き交うのだそうだ。
金が動くところには妖しい人が集まる。
自然と、嬌歌紅粉の巷も生まれるようで、そういうお楽しみもあるようだ。
河は天気が良くても悪くても、国境があってもなかっても、ただ茫々と流れて
行くだけなのだ。
このままメコン河を下りに下ると、多分、国境の街、フェイサーイからラオス
のバークベン、ルアンパバーンと流れて行けるんやと思う。日がな一日、ボート
に乗って旅をするってどんなんやろ。楽しいやろなあ。エキサイティングやろ
なあ。わくわくするけど、年寄りとしてはトイレが気になる。
メコン河を遡って中国に行く手もあるらしい。
タイにもミャンマー側にも山のようにあった中国の物資はこのルートを通って
やってきたんやろか。
いろいろややこしいことが一杯ありそうだ。
そんな難しいことはさておいて、
阿片記念館みたいなのがあった。
自然にある草木からこんなん見つけて、そのエキスのほんの一滴を絞り出して
わずか何グラム、何ミリグラムの中から、魔性の楽しみを創り出すなんて、人
の技はかくも恐ろしい。
わしらは見るだけにしとこう。
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