北斎展

ご近所の北野田というところで、たまたま北斎展をやっていた。
浮世絵版画富嶽百景図だ。富嶽三十六景図は復刻版を購入して
みているが、百景図をまとめてみると、その迫力に圧倒される。
色が美しい。あの藍色の美しさが際立っている。
技巧がすばらしい。こんな繊細な画をどうやって彫ったのだろう。
とても版画というのが信じられないような精密さだ。
構図が新鮮で大胆だ。富士をどうやって表現するのか。
橋の下から、股の間から、裾野の線だけ、実に斬新な発想で
画かれている。初めてこれを見たヨーロッパの画家達は定めし
驚いたことだろう。
今回は、初回版のモノトーンの版画も展示されていた。
こちらも実に面白い。
駱駝が出てきて、モスク風とも思えなくもない建物を背景に
富士がある妖しい画がおもしろい。
窓を開けると富士が見える。窓ごと見ると一幅の画のようだ。
その窓の上に書がかかっている。まるで、富士の画の賛のようだ。
それを見て驚いているところを画にしてるのが面白い。
しゃれで、その画を見ている私達を落書き帖にスケッチしてみた。
楽しい一日だ。
こうやって、富士というモノと旅と言うモノを結びつけて、その地
その地を訪なう心をイメージとして切り取る面白さは、旅の心を
たまらなく刺激するものだ。

hokusai090328