ジョン・ル・カレ、「誰よりも狙われた男」
ハンブルグの街に得体の知れない若者、イッサがふらふらと現れた。どう見て
も難民のような感じだ。哀れに思ったトルコ人の家族に拾われた。しかし、此
の男、何か秘密を抱えている。体中に傷があるのだ。
そして消えた。
ある日、街中の老舗の銀行家トミー・ブルーの元に慈善団体の弁護士、アナベル
・リヒターと名乗る若い娘から電話がかかってきた。イッサはあなたの援助の
元にこちらで医学を学びたいという要求をしているという話だ。
何で? 話はだんだん複雑になる。旧ソ連とチェチェンがからんだ秘密組織の
危険な資金の話が明らかになってくる。
真面目な銀行家の過去に何があったのか?
イッサは実は莫大な金を受け取る魔法のカギを持っているのか?
そこへ西側各国の秘密組織がからんできた。アメリカも。彼らはイスラム過激
派に流れる資金を追いかけている。
秘密の金庫の鍵が開けられたら、その金はどこに行くのか?
アナベルはイッサを助ける事ができるのか?
あいかわらずジョン・ル・カレのスパイものは一捻りも二捻りもあって面白い。
特に9.11の頃から現在に至る宗教と政治の戦いを有様をうまくとりいれていて、
いかにもと思わせる。
面白くて一気に読んでしまった。
六六、「上海 かたつむりの家」
中国で若い人にとりあえず何が目標みたいなことを聞くと、殆どの人が家を手
に入れる事やと言う。
海萍に子供ができた。しかし、共稼ぎの仕事をしながらの狭い家では子どもを
育てられない。実家に預けるくらしはあまりにも問題が多い。何としても家が
ほしい。そのためにはお金が要る。
妹の海藻は姉に負い目がある。一人っ子政策の二人目だ。姉の願い出この世に
生まれた。「お金は私が作る」
しかし、そんなに簡単にお金はできない。いつか借金まみれに。
宋思明と言う救いの神が現れる。人民政府のえらいさんやから、コネと権力で
金も便宜も引き寄せる事ができる。彼は海藻に惚れている。
頼っているうちに男と女。
しかしいいことはいつまで続くだろう。
家も金もどうなる?二人の幸せはどうなる?そして彼の運命は?
いかにも中国らしい話の展開だ。
しかし、ほんまにこんなんやったらあまりにも哀しいなあ。
ごく一部の人の話。
ただのブラックジョークであって欲しい。
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ありがとうございました。