山の夕暮だ。まわりの山々が雲海の中にすこしずつ消えていく。
幽玄ともいうべき景色だ。
この薄暗さの中、綺麗な写真を撮っておきたい。
三脚をセットしよう。
今度は、夜明け前。もうすぐ日の出だ。
それに先だって辺りはだんだん明るくなっていく。
最初は雲海だけしか見えなかったが、だんだんと山が姿を現す。
雲が流れて、刻一刻姿を変えていく。
三脚でカメラを固定して次々の撮っていこう。
山中を歩いていたら、息をのむような美しい景色に行きあたった。
山の形、雲の具合、光との調和。
この一瞬しかない。
あわててカメラをセットしよう。
黄山、三清山に行こうと思った時、折角、古来からの水墨画の聖地に行く
のだからいい写真を沢山撮って来たいと思った。
それで、カメラにはやはり三脚がいるだろうと考えた。
三脚屋に行くと実に沢山の種類がある。
小さいのでは役にたたないだろう。
山にいくから、大きくて重くては持ち辛い。軽くて持ち運びしやすいのがいい。
それで、高さ90cmくらいのアルミ製で三段にたためるものを買った。
歩きながら、観光しながらだと中々面倒で、三脚をセットしてまでという
気持にもなる。それでも、「ここぞ」というタイミングも多くある。
其の時に初めて気がついた。
三脚が低すぎるのだ。眺めているのは目の高さ。それで気持ちが決まるが、
目の高さより下には、灌木や石や垣根など障害物が沢山ある。
低すぎると意味がないことがおおいのだ。
それで専門家は大きいのを持ち歩いているのだ。
始めて気がついた。
それに、シャッターチャンスはわずかしかない場合がおおい。
三脚にカメラを瞬時にセットできないと間に合わない場合がおおい。
それも考えてなかった。
簡単に脱着できるタイプのモノもあるのだ。
当たり前のことかもしれないけど、気がつかない私がバカだった。
もちろん小さくて軽いのにこしたことはないし、それで十分な場合も多いので
用途によるんやだけどね。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。