ジョルジュ・シムノン 「青の寝室」
あいかわらずジョルジュ・シムノンの本は面白い。サスペンスのようで、複雑
な心理劇のようで、妖しい人生模様のようでもある。
フランスの田舎町にイタリア移民系の男が住んでいる。真面目な自営業の商売
人だ。幸せな結婚をして平凡な家庭を営んでいる。
ある日、幼馴染の女とふとしたことで情事を持ってしまった。
この女、実に情の怖い女だった。気付いたら抜き差しなら無いことになりそう
になっていた。
「私が自由になったら、あんたもそうできる?」と女は言う。
男はおびえて逃げ出そうとする。
しかし、もう遅い。
女の家で事件が起こる。
えらいこっちゃ。「つぎは、あんたの番よ」と女は言う。
男の家でもえらいことが・・・。
いったい何がどうなったのか。本当に悪いのは誰か。
取調べの記録の形で話が進んでいく。
真実は暴かれるのか? 何が真実なのか?
男の運命は? 女の運命は?
決して謎解きの話ではない。
冤罪を糾弾するような話でもない。
男と女と人生の深い話だ。
えらい事にならんようくれぐれも気をつけよう。
金住則行、「李藝」
「李藝」と言う映画を見た話はこのブログに投稿した。
これはその映画の土台になった話だと思う。映画は、「李藝」が活躍した舞台
を追ってドキュメンタリーで追いかけていく内容であった。
この本は、「李藝」の人生を物語にしたものだ。
映画を見る前にこっちを先に読んでおきたかったけど、図書館の順番が回って
こなかったのだ。
感想は映画を見た後と変わらない。
倭寇が朝鮮の人たちを攫った話は、今の拉致問題の裏返しだ。
どっちが何をしたからどうという話ではなくて近隣の国同士、仲良く暮らす歴
史の方を積み重ねたいものだ。
よう考えたら、ごく普通に暮らしてるわしらでも、何かの災難が巡ってきて、
いつ何時どっかへさらわれてしまうかわからへんのだ。
クワバラクワバラなのだ。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。