時々大阪遊、日本橋、国立文楽劇場で藤間良太郎の踊りを見た

日本舞踊に興味があるとか、踊りに興味があるとかそういう私ではなかった。
いまもそうであるけど、ある人に誘われて訳もわからず行ったというのが本当
のところだ。
その方がたまたま余分にチケットを持っていて、「いっしょにどや?」と言う
ことで軽い気持ちで応じてしまって、行ったその時までいったい誰の何が公演
されるのかすら知らなかったと言うええかげんな話であった。
それにしてもえらい人だ。
開演前にロビーをびっしり埋める行列ができている。
踊りの家元なんかが公演をするんなら、一門の方々が一生懸命チケットを売り
裁いて人をかき集めるんやろ? なんて失礼なことを考えたりしたけど、お客
さんの様子をみていると実に多彩な方々が並んでいるように見える。
中に入ると、大劇場を殆ど埋め尽くすほどの人ではないか。
これはすごいもんなんやねと驚いた。
それでまあなんやかんやと舞台が始まった。
舞台の上で上品のしゃらりしゃらりと踊らはんのかと思ってたら、全然ちゃう
やんか。まるで歌舞伎の荒事を見ているようだ。
時に静かに時に荒々しく、右に左に、めまぐるしい。

ここには日本の様式美があるなあと思った。
前に能の道成寺を見たときに、ほんの数ミリずつちびりちびりとずり動きなが
ら、緊張感をつないでいく、体の中から湧き上がってくる衝動というよりは、
抑制されて洗練された芸能の深さを感じたけで、そういうものに通じる体の動
きがあるようなのだ。
無駄のない洗練された動きは見ていて疲れない。
それに、謡いがまたいい。
義太夫なのか、長唄なのか常磐津なのかこの世界の事は何もわからんけど、声
が実にいい。文楽のバックの浄瑠璃を聞くようだ。
三味線に合わせてとうとうと謡うのに聞きほれてしまうほどだ。
残念ながら、用があって途中退席してしまったが、いい経験をさせてもらった。
やはり日本の芸能の世界は洗練されていて奥が深いなと思った。
又、いつかこういう機会があればいいなあ。

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ありがとうございました。