最近読んだ本、「台北の夜」、「騙し絵」

  • 2013年1月3日
  • 2人
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フランシー・リン、「台北の夜」
珍しく台湾が舞台の推理小説やったんで読んで見ることにした。
アメリカから始まった話は台北に飛ぶ。
いきなり裏社会だ。
台湾マフィアみたいなのは直接出てこないけどいろいろ危ない仕事をしてる。
あんなおもろそうなとこがあってとか、おいしそうなモン食べてとか出てこな
いというわけではないがも一つぴんとこない。
しかし、大陸と台湾とのわずかな海峡をはさんだだけやけど深くて複雑な思い
はこんなサスペンスの中にもありありと出てきて感情移入するほどはどちらの
事情にも疎いけど割り切れなさは相当なもんやと思ってしまう。
話が香港に飛んで、重慶マンションやらチムシャツイやらが出てくると、ここ
行ったことあるわと急に親しみがわくから面白いもんだ。台湾の東にある太魯
閣渓谷らしきとこも出てくるから、行ってみんとあかんなあ。
推理小説も旅にことよせて読みと結構おもしろい。
それにしても笑ってしまうのは、台湾では中国語の本名以外に英語のニックネ
ームをつけてそれを正式呼称にしてるという習慣がある。上海や香港でもそう
みたいやけど台湾で特にその印象が強い。
この本でも、グレースやエンジェルなんてでてくると、知ってる人の顔が浮か
んできて思わず笑ってしまうではないか。

マルセル・F・ラントーム、「騙し絵」
第二次大戦末期に作者が捕虜収容所に入れられていた時、暇やからじっくり考
えて作った話らしい。そやから種や仕掛けは実に念入りに考えられていて面白
い。その代わり風景や人の暮らしの描写が私にとってはちょっと物足りない気
がしたのはやっぱり収容所の中で想像した範囲やからなんやろか。
ケープタウンの星と言うものすごくでかいダイヤモンドがある。アフリカのあ
る鉱山で発掘されたんやけど奴隷の作業員が自分の切り傷のなかに押し込んで
隠して持ち出したというところから始まる。
そのダイヤモンドが持ち主の令嬢の結婚式の日に衆人監視のなか忽然として消
えてしまうと言う密室マジックだ。
せっかくこんだけ凝って作ったトリックやったら殺人も無いようにその部分も
もっと凝って作ったら面白かったように思うけどどうやろう。

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