大阪、和泉市にある「久保惣美術館」に有名な宮本武蔵が描いた「枯木鳴鵙図」
があると言うのは前から聞いていたが、なかなかタイミングよく展示されなくて
見る機会がなかった。それが今、展示されているというのを聞いたので早速行っ
て見た。場所は泉北高速線、和泉中央駅の近辺だ。泉北1号線から真っ直ぐ進ん
だらしまいの分かりやすい道やけど前にネズミ捕りに引っかかったげんの悪い道
でもある。
まあそんな事を気にしないでゆっくり走れば済む事で、ゆっくり走ってもすぐに
着いた。が見えたのは奥の建物で、入り口まではまだぐるっと回り込まないとい
けない。要するに相当大きい屋敷が美術館になっているのだ。
中に入るとここは新館で、武蔵は奥の本館にあると言う。
大きな屋敷内の庭園を見ながらぐるっと本館に行くのだ。
邸内のあちらこちらで展覧会をやったり演奏会をやったりと盛り沢山だ。大きい
から何でもできるんやね。
それで一番奥に武蔵がある。
今回のテーマは、「美の宴」(東洋の古美術、印象派と古地図が織り成す珠玉の
世界」とこれも盛り沢山だ。陶磁器のよさげなものも沢山あるが、こう言うのは
やはり東洋陶磁美術館で見た方がいい。やっぱり武蔵のところに急ごう。
一番奥の一番真ん中にあの、「枯木鳴鵙図」がある。ハンニバルという狂気の天
才がでてくるハンニバルシリーズの小説の最後、「ハンニバルライジング」の中
で主人公がこの絵に魅せられて模写して糊口をしのぐという話があった。孤高の
天才に通じるのか狂気と紙一重に通じるのかどういう見方で登場したのかはよく
わからない。
画は思っていたよりは幅が広い。画面の中央を上からしたまで古木が貫いて、そ
のてっぺんに鵙(モズ)が鋭い目をして獲物を狙うかのように止まっている。
そしてまっすぐ伸びた枝の中央やや下のほうに芋虫のような虫がにょろっと上を
目指している。
鵙がこの虫を狙っているのか、虫はそんな事に関係ないのかそれは分からない。
ただ厳しい緊迫感が漂っているかのようだ。
右となりの布袋さんの絵も面白い。洒脱な味がある。それでいて丁寧に描いてい
る。武蔵はきっと本格的に絵の修行をした人だと思う。そうでなければ描けない
ような技が絵の中に潜んでいると思う。
左となりの竹雀図も秀逸だ。伝牧ケイと書いてあるが、本物に見える。こういう画
が描けたらいいなと心から思う。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。