宝塚、清荒神、鉄斎美術館に行った

富岡鉄斎の画が無性に見たくなった。カシミールのカレーが食いたくなったのと同じ時だ。
「圧倒的な迫力にガツンとやられてみたい」と言う気持ちが関連しているのかもしれない。
それなら、「カシミールでカレーを食ってから行ったら丁度ええやん」という段取りができた。
ところが先日のブログで書いたようにカシミールで大幅に時間を食ってしまった。
鉄斎美術館は阪急宝塚線の清荒神にある。急いで行かねば美術館の最終入場は午後4時だった。
梅田についたらもう3時だ。急いで計算する。
清荒神の駅まで約30分、そこから必死の速足で歩いて、15分か20分、ぎりぎり入れそうだ。
閉館は16:30だからまあ見れるだろう。
それで電車に乗った。
大阪から離れるにつれて車窓に緑が多くなって来る。
宝塚線は平日でも結構お客が多い。都会にお出かけ帰りというよりはちょっと用を足しにと
いう感じの人達がざわざわと雑談しながら走っている。急行といえども途中からは各駅停車に
なって、気は急くが電車はのんびり走っている。
さあ着いた。
ここからは急がねば。踏切をわたると直ぐに参道が始まり、道の両側にずらりと店がならんで
いる。時間があればお菓子屋さんや雑貨屋さん、いろんな店をながめながら行くのが楽しいが
今日はそれどころではない。幸いお店も半分以上はしまっている。
「平日は参詣客も少ないんやろか?」と思うが結構上り下りの人はいる。
上り詰めても、もう一息、本堂の右の更に奥に鉄斎美術館はあるのだ。
時計を見ると15:50近い。チケットを買って中に入ると汗がどっと噴き出した。
カレーの香りがしてるのだろうが他に人はいない。

tessai111202

「やっぱり鉄斎はええなあ!」
椅子があったら座ってじっくり見たい。
線の迫力が違う。基本に忠実ながら大胆だ。
大胆不敵のようで計算された省略がある。
色遣いも繊細だ。唐突のようで狙いがある。
賛を読まないといけない。画を見る前にまず賛を見ろと鉄斎は言っている。
どういう心でこの画を描いたかということがそれでよくわかるように
賛は書かれている。
あと1時間でも2時間でも眺めていたいがそうはいかない。
とうとう閉館時間だ。
外にでたら大きなお地蔵さんがにょきっと立っておられた。
もう夕暮れが始まっている。
帰り道でのんびりと参道をお喋りしながら歩いているおばちゃん達を追い越した。
わしはなんでこんなに意味も無くあくせくしてんやろ?

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ありがとうございました。