「暁の寺」に続いていったのは、渡し船で戻ったこちら岸にある、「ワット・ポー」です。
やはり、三島由紀夫の「暁の寺」には「ワット・ポー」はこのように表現されています。
「涅槃佛殿の巨大な金色の寝釈迦は、青、白、緑、黄のモザイクの箱枕に、叢林のやうに高い金色の螺髪を委ねていた。金の腕は長く伸びて頭を支へ、暗い御堂のむかうの端、はるか彼方に黄金の踵が輝いていた。・・・
それほど熱い。空気自体が熱病にかかったやうな戸外。塔のあひだにある澱んだ池にはつややかな緑のマングローブが夥しい気根を垂らしている。・・・」
表はたまらなく熱く、いらいらするほどですが、このゆったりとした、黄金の釈迦の寝姿を見ると、なぜか心がやすらぎ、涼しささえも感じます。
タイは、仏教寺院も絢爛豪華です。
こういう原色まみれの救いと言うのは、現世での救いなんでしょうか。
私は、現世で救われたいけど・・
でも、とにかく熱いです。
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