最近読んだ本、「甘夏とオリオン」、「線は僕を描く」
増山実、「甘夏とオリオン」 これはすばらしい。読みながら、絶対落語を聴きに行きたいって思った。 もちろんユーチューブでも聴いてみた。しかし、やっぱり寄席に行かんとあかんと 思った。 この本を読んでると、落語の世界の中から昔の上方の暮らしが沸き立つように立ち上がって 来る。文楽でも同じ気持ちになるんやけどそれよりは新しい。今の時代というか、 もう少し前、わしらの子どもの頃、昭和の中頃、そういう時代に […]
増山実、「甘夏とオリオン」 これはすばらしい。読みながら、絶対落語を聴きに行きたいって思った。 もちろんユーチューブでも聴いてみた。しかし、やっぱり寄席に行かんとあかんと 思った。 この本を読んでると、落語の世界の中から昔の上方の暮らしが沸き立つように立ち上がって 来る。文楽でも同じ気持ちになるんやけどそれよりは新しい。今の時代というか、 もう少し前、わしらの子どもの頃、昭和の中頃、そういう時代に […]
森見登美彦、「熱帯」 あの日、出会った本は何やったんやろ? いつのまにか消えてしまった。しかし気になる。 汝にかかわりなきことを語るなかれ――。 確か、佐山尚一作「熱帯」という本だったような? 確か南国の話? 気になるけど内容は定かではない。部分的な記憶しかないようなのだ。 こうなったら見つけるしかない。 もちろん本屋には置いてない。図書館でも、古書店でも見つからない。 ある日、「沈黙読書会」とい […]
伊吹亜門、「刀と傘 明治京洛推理帖」 頃は明治維新の真っ只中。 日本の文化開明の頃、複雑怪奇な殺人事件を快刀乱麻、解明していく男たちがいた。 佐賀の乱を起こした江藤新平、日本の司法を創った人だ。 司法卿になる少し前、部下には尾張藩御用人でもある鹿野師光がいて、弾正台の京都支台で 犯罪捜査に当たっている。 ある日、五丁森了介という役人が怪死した。 一見切腹のように見えるが、惨殺されたのか? 無くなっ […]
梶村啓二、「ボッティチェリの裏庭」 名作の真贋を見極めることは、人生の真贋を試されることだーー 時代を超え、国境を越えていくスリリングな疾走感、こんな物語が読みたかった。 なんて「帯」書きに惹かれて読んでみることにした。 早瀬孝夫はデジタル画像処理を専門とするエンジニアだ。海外からも優秀な人材と みなされているらしく、ヘンドハンターからの接触が盛んにある。しかし、かれが所属する 会社は経営が思わし […]
真藤順丈、「宝島」 久しぶりに骨太の本を読んだ。すごい迫力でグイグイ迫ってくる。 舞台は沖縄。返還前の基地の街。 獰猛な男たちが深夜の基地の中を駆け抜ける。「戦果アギヤー」を携えて闇の中から 帰ってくる。 われらがオンちゃん。彼が走るところに必ず大戦果あり。 貧しい惨めなわれらの希望の星だ。しかし、日に日にアメリカーの取締は厳しくなる。 戦果は細るばかり。 ある日とうとうオンちゃんたちは最後の勝負 […]